手軽にできる「ちょい足し」でダイエット効果をアップしたい──。そんな希望に応えようと、AERA 2021年1月18日号は東洋医学の専門家にポイントを聞いた。

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「東洋医学では漢方薬のほかに鍼灸(しんきゅう)も行い、治療効果を高めています」とは、吉祥寺東方医院院長の三浦於菟(おと)さん。鍼灸は、身体中に張り巡らされた「気」と「血」の通り道の経絡上にある経穴、いわば「『気』の出入り口」を鍼(はり)や灸で刺激し、関係する臓腑に働きかけ、不調を改善する方法。経穴とは、一般的な表現では「ツボ」だ。鍼灸は国家資格を持つ鍼灸師しか行えないが、ツボは自分の手や指で押しても効果がある。

■まずは基本のツボ五つ

 三浦さんの吉祥寺東方医院で鍼灸を担当する吉田和裕さんによると、「ダイエットの基本のツボとしては、中(ちゅう)かん(=にくづきに完)、足三里(あしさんり)、三陰交(さんいんこう)、脾兪(ひゆ)、胃兪(いゆ)の五つがまず挙げられます」。

 中かんの「かん」は胃袋を意味し、その中央に当たるツボ、中かんは消化不良を改善して水分代謝を良くする。つまり、胃腸を元気にしてむくみを解消する。

 足三里は、松尾芭蕉が著した紀行文にも出てくるほど有名なツボだ。むくみ解消、体力増強、胃腸の不調解消にいい。同じく足の三陰交は下半身の冷えを改善して女性ホルモンの分泌を整えると言われている。女性の悩みに特に効果的で、「女性の三里」とも呼ばれるほどだ。

「足三里と三陰交の組み合わせは消化機能を良くする上でとてもいいですよ」(吉田さん)

 脾兪と胃兪は背中にあるので、家族に押してもらうのも手だ。二つとも胃腸に作用するツボだ。下痢の改善にもお勧め。

「ツボの押し方は、指でグッと強く押し込んでパッと離す方法と、グーッとゆっくり押してゆっくり離す方法があります。気持ちの良いほうを選んでください。ただし、食後1時間、入浴の前後1時間はツボ押しは避けた方がいいでしょう」(吉田さん)

 ツボも漢方薬と同様、「証」に応じて最適のツボが異なるという。より効果を得たければ、鍼灸師のもとに行くことをお勧めする。(ライター・羽根田真智)

※AERA 2021年1月18日号より抜粋