「週刊朝日」では東大・京大の合格者のうち約1600人にアンケート実施。第2弾は東大理系編だ。「最も才能を認める有名人は誰か」など前回の東大文系編と同じ質問をしたが、文系とは違う理系らしい回答も見られた。



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 理系合格者の4割近い636人から回答があった。次のような質問をした。

「新型コロナの流行は受験勉強にどういった影響を与えたか」
「受験勉強はどのように乗り切ったか」
「社会人になってから必要だと思うものは何か」
「最も才能を認める有名人は誰か」
「入試で女子枠を作ること、女子の入学者が多い学校推薦型選抜・特色入試の定員を増やすことに賛成か反対か」

 まずは新型コロナウイルスの影響について見ていこう。「特に影響はなかった」が47%に上り、次いで「良い影響を与えた」が30%。「悪い影響を与えた」は21%にとどまった。現役・浪人別に見ると、「良い影響を与えた」と回答したのは現役33%に対し、浪人は20%。一方で「悪い影響を与えた」と答えたのは現役19%に対し、浪人は28%だった。
「受験勉強はどのように乗り切ったか」(記述回答)の回答を見ると、現役からは「長期休校で東大向けの勉強ができた」(青雲、理一)など、学校生活に充てる予定だった時間を受験勉強に回せたという声が目立った。

 浪人からは「4〜6月のオンライン授業は正直身が入らなかった」(西大和学園、理二)などの声があり、在宅時間が増えて集中できなかったケースが多かったようだ。

 合格者は、東大卒業後の生活に何を望んでいるのか。社会人になってから「自家用車」「持ち家」「高級時計」「高い地位」「高収入」「飲みニケーション」が、それぞれ「必要」か「必要ではない」か、もしくは「どちらでもない」かを尋ねた。

「必要」との回答が最も多かったのは「高収入」で51%、次いで「持ち家」の45%だった。

 一方、「必要ではない」が最も多かったのは「高級時計」で73%、続いて「飲みニケーション」で43%を占めた。

「必要」「必要ではない」ともに文系とほぼ同じ傾向となった。一定の生活水準は保ちつつも、人間関係のしがらみにはできるだけとらわれずにいたいという世代観が表れているとも言えそうだ。

「最も才能を認める有名人」の最多得票は、元大リーガーのイチロー(32人)だった。2位は「今でしょ!」の決めぜりふで有名な現代文の予備校講師・林修(25人)。文系と1、2位が入れ替わったものの、同じ傾向と言えるだろう。

 同じく2位に相対性理論で知られる物理学者・アインシュタイン、将棋の藤井聡太が入ったほか、5位は明石家さんま(15人)と、文系同様に歴史上の科学者やメディア露出が多かった有名人が名を連ねた。

 6位にはクイズ王として有名な伊沢拓司(13人)、7位は医学部在籍中に司法試験に合格した河野玄斗(11人)が入るなど、東大の若手OBの名前もあった。
 また、9位に物理の人気予備校講師・苑田尚之(8人)、10位にノーベル賞受賞者で京大教授の山中伸弥(7人)が入ったのは理系らしい回答と言える。

 女子学生を増やすことが課題の東大は、特に理系で女子の割合が低い。今年の合格者を見ると、文系では女子の割合が約28%だったのに対し、理系は約14%だった。

「入試で女子枠を作る」ことと「女子の入学者が多い学校推薦型選抜(旧推薦入試)の定員を増やす」ことに対して賛否を尋ねた。
 女子枠については、男女全体で67%が「反対」と答えた。男女別に見ると女性側でその傾向が高く、回答者の77%が「反対」とした(男性は66%)。学校推薦型選抜の定員を増やすことについても、「賛成」と答えたのは男性が60%だったのに対し、女性は48%にとどまった。
 女性側からすれば、努力や能力ではなく性別で評価される、すなわち「げたをはかされた」と見られることへの抵抗感があるのかもしれない。ただ、学校推薦型選抜には個性豊かな学生が集まってきており、東大当局も同選抜を高く評価している。入試制度は今後変わっていく可能性がある。(敬称略)
(本誌・松岡瑛理)

※週刊朝日  2021年4月16日号