「週刊朝日」では東大・京大の合格者のうち1601人にアンケートを実施した。今回は京大編。質問は東大文系・理系編と同じで、回答には関西色がにじみ出た。本誌でしか読めない京大合格者の素顔にご注目あれ。



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 京大合格者全体の約2割に当たる517人から回答を得た。次のような質問をした。

「新型コロナの流行は受験勉強にどういった影響を与えたか」
「受験勉強はどのように乗り切ったか」
「社会人になってから必要だと思うものは何か」
「最も才能を認める有名人は誰か」
「入試で女子枠を作ること、女子の入学者が多い学校推薦型選抜・特色入試の定員を増やすことに賛成か反対か」

 まずは、新型コロナウイルスが受験勉強に与えた影響に関する結果を見てみよう。
「特に影響はなかった」が最多の42%だった。「良い影響を与えた」は30%、「悪い影響を与えた」は28%。「特に影響はなかった」「良い影響を与えた」を合わせると約7割を占めた。東大文系・理系よりやや低かったものの、傾向としてほぼ同様だったと言えるだろう。

「受験勉強はどのように乗り切ったか」(記述回答)の回答を見ると、現役生では休校期間の影響に触れる声が目立った。

「コロナ休校のため、学校での学習がかなり遅れてしまったので、積極的に予習した。また、塾と添削の通信講座を併用し、教科ごとに使い分けた」(明和、法学部)などと、時間ができたことを前向きに受け止める回答が多くあった。

 一方で、「休校期間中は自宅での学習に集中できず、友達に会えずストレスを感じたり、勉強しない自分への嫌悪に陥ったりもした」(中央中教、工学部)と悩みを明かす回答もあった。

 浪人生からはコロナ禍を機に勉強への意識や勉強方法を改めたという声が寄せられた。「(コロナの拡大が)2浪目の始まりと重なったため、現役、1浪目で何が足りなかったのか自分自身の行動とじっくり向き合い勉強に対する意識を変えた」(仙台第二、工学部)、「コロナで映像授業になってしまったので予備校に通うのはやめて自宅浪人にし、通信教育を使って自分で勉強した」(竹園、文学部)などだ。

 大学卒業後はどのような人生を送りたいと考えているか。社会人になってから「自家用車」「持ち家」「高級時計」「高い地位」「高収入」「飲みニケーション」が、それぞれ「必要」か「必要ではない」か、もしくは「どちらでもない」かを尋ねた。
「必要」との回答が最も多かったのが「高収入」で61%だった。トップとなるのは東大文系・理系と同様だが、東大文系より3ポイント、東大理系よりは10ポイントも高かった。

 次いで「自家用車」が53%で過半数を占めた。東大では文系・理系ともに30%台にとどまっており、京大が14〜16ポイントも上回った。交通渋滞が激しい首都圏に位置する東大よりも、「車は生活必需品」と考える人が多いことがうかがえる。

「飲みニケーション」についても、京大の特徴が出ていると言えるかもしれない。「必要」と回答したのは33%。東大は文系・理系ともに20%台半ばで、こちらも7〜9ポイント上回る結果となった。京大は、東大に比べて社交の場を重視する傾向が大きいことがうかがえる。

「最も才能を認める有名人」では、関西勢が多く名を連ねた。最多得票は、東大理系と同様に元大リーガーのイチロー(25人)。大リーグ移籍前は神戸を本拠にしていたオリックスで活躍した。特に関西の人には思いが強い選手と言えるだろう。
 2位に明石家さんま(13人)、10位には松本人志(5人)が入り、関西のお笑い文化も反映された形だ。3位は神戸大出身の山中伸弥(10人)、10位は京大出身の湯川秀樹(5人)で、関西勢のノーベル賞受賞者の名が挙がった。

 7位の竹岡広信(6人)は、主に関西圏で教える英語の人気予備校講師。元暴走族の弁護士が教師となって教え子を東大合格に導く人気漫画「ドラゴン桜」に登場する英語教師のモデルともなっている。

 一方で、7位には東大医学部在籍中に司法試験に合格した河野玄斗(6人)、10位には人気クイズ番組「東大王」(TBS系)に出演していた東大法学部出身の鈴木光(5人)が入り、東大OB・OGも一定の人気を集めた。

 女子学生の割合については、京大も東大同様に低い。今年の合格者全体に占める女子の割合は約21%だった。「入試で女子枠を作る」ことと、「女子の入学者が多い特色入試の定員を増やす」ことについての賛否を尋ねた。
 女子枠に関しては、男女全体の71%が「反対」と回答した。一方、特色入試の定員増加については、「賛成」が51%、「反対」が46%と賛成がやや上回る形となった。

 特色入試は2016年度入試から始まった新しい試みだが、制度として認知されつつある。米国の大学などが導入するアファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置)が定着していない日本では、女子枠の導入よりも特色入試のほうが受験生から寄せられる期待が高いと言えるだろう。(敬称略)

(本誌・松岡瑛理)

※週刊朝日  2021年4月23日号