「コンビニ百里の道をゆく」は、52歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。

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 日本人選手が多くのメダルを獲得し、先頃閉幕した東京2020パラリンピック。私たちローソンの社員である川原凜選手も、車いすバスケットボールで銀メダル、高松佑圭選手が陸上混合400メートルユニバーサルリレーで銅メダルを獲得しました。

 まずは高松選手。同競技は男女2人ずつ、様々なハンディキャップを持った選手4人がバトンではなく、タッチでつないでいきます。第3走者の高松選手がアンカーの車いすの選手にタッチで託して……本当に手に汗を握り、感動しました。

 最初、日本は4位だったのですが、2位の中国が失格となったため銅メダルになりました。高松選手は次の個人種目400メートルに出場中でそれを知らず、後で知って、慌てて他の3人と喜びを分かち合ったと笑っていました。

 川原選手もすごかった。実は私は車いすバスケをよーく見たのは今回が初めて。この競技、抜群に面白い! 川原選手は車いすを見事に操り、相手選手が入ってくるコースを消したり、走りながらのレイアップシュートを決めたり。縦横無尽の活躍でした。

 大会後の9月9日には、2人がユニホームを着て会社に来てくれました。「報告会」を開催したところ、多くの社員がオンラインで参加しました。まず印象的だったのは、お二人の表情です。ほっとしたのと、やりきった充実感と。何とも言えない、いい顔をされていて。

 ローソンのみんなにとっても感動的で、得るものも大きかったと思います。お二人の活躍で、改めてそれぞれの場所で輝き、花を咲かせることの大切さを感じました。社員一人ひとりに個性があり、輝ける場所がある。それぞれの場所で輝くことで、強い組織ができるのだと。

 3年後のパリ大会。再びの活躍が、いまからもう楽しみです。

竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長

※AERA 2021年10月11日号