夏休みが明け、中学受験を目指す6年生はますます多忙に。秋は学校行事も多く、息切れ状態の子も。ゴールまであと数カ月、気持ちよく走りきるには親の関わりが重要だ。中学受験のプロ・安浪京子さんが、悩める親からの質問に答えた。AERA 2021年10月18日号で紹介する。

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──夏期講習は頑張って通っていたのに、秋になったとたんやる気も集中力も低下。このままで大丈夫でしょうか?

 9〜11月のこの時期、糸が切れちゃう子はすごく多いですが、心配しすぎないで大丈夫。夏休みは塾のペースでぎゅーっと集中して勉強だけしていればよかったのが、2学期が始まれば運動会や学芸会など行事参加も増えて、疲れるのは当然。秋はふっと集中の糸が切れるんです。急に気温も下がり、自律神経も乱れますからね。

 親は、子どもにやる気や集中力を強く求めがちですが、あまりそこにこだわらないほうがいい。疲れているときに、親にお尻を叩かれたら余計疲れてしまいますよ。宿題をこなして塾に通って、淡々とやることをやっていれば、それだけで十分だと思ってください。 

 とはいえ、塾では志望校別の特訓授業が始まったり、模試が増えたり、過去問を解き始めたりと、勉強量が急増します。正直言って全部をこなすのは無理です。ここは親が、わが子に今どんな勉強が必要かを見極めて、取捨選択をしてあげることが大切です。

■「わからない」と言える

──塾にまかせていればいいと思っていたのに、勉強の優先順位のつけ方がそもそもわかりません……。

 6年生の秋以降は、特に大手塾では、すべての単元を一通り理解しているという前提で、丁寧に説明してくれる解説授業はなくなります。

 最難関・難関校を目指している子は塾の志望校別授業にくらいつくのがベストです。その一方、中堅・標準校を志望校にしている場合は、シャワーのように演習問題を解かされるため、子どもによっては、まったくついていけなくなる危険性があります。塾の言われるままではなく、自分に必要な教科・単元の基礎固めをしておくことが何より大切です。

 まずはテスト結果を見て苦手な分野はどこかを探し、5年生のテキストに戻って復習する。算数は基本的な計算から固め、国語の長文が苦手な子は、過去問を使って音読させると読むスピードがぐんと上がります。そのあたりまでは親のフォローが必要です。

 ただ、親が必死で勉強を教える必要はありません。ケンカになります(笑)。授業動画を一緒に見たり、知識分野の一問一答に付き合うなどの形で学習に寄り添ってあげてください。

 何より大切なのは、子どもがわからないことを「わからない」と言える親子関係を作ること。直前期の今だからこそ、きちんと理解できないのにわかったふりをしている子は意外に多いです。

(構成/ライター・玉居子泰子)

※AERA 2021年10月18日号より抜粋