投資信託ブームに乗り遅れた人、集まれ! 冬のボーナスの運用先や来年1月からの積み立て開始にぴったりな初心者向け「11本」と年代別組み合わせを紹介する。積み立てるなら利益が非課税になる「NISA」に年内申し込みをするのが吉。急ごう。AERA 2021年11月22日号は「投資信託」特集。

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 入門として積み立てるなら「インデックスファンド」という株価指数に連動する投信がいい。ネット証券なら100円から、販売手数料は無料で、信託報酬という運用コストは年0.1%以下と激安のものもある。

 主に株式へ投資するインデックスファンドをざっくり分類すると次の6種類。

(1)米国株式

(2)先進国株式

(3)全世界株式

(4)バランス型

(5)新興国株式

(6)日本株式

 このうちメインの投資対象として最初の1本に選びやすいのは(1)米国株式、(2)先進国株式、(3)全世界株式の三つだ。

 三つの投信の違いは、米国株に総資産の何割を投資しているかを見るとわかりやすい。米国株式は、当たり前だが米国株100%。先進国株式は米国株が約70%(投信により異なる場合あり/以下同)で、残りはイギリスやカナダなど。日本は入っていないことが多い。全世界株式ファンドの米国株比率は約60%で、日本、イギリス、中国などもまんべんなく入っている。

「『今後10年、20年、米国は世界最強でいられるか』に対する信頼度を基準に、この3種類から選ぶのはどうでしょう。あと10年は米国が強いと思うなら米国株式。国選びにも自信がない人は、全部入りの全世界株式。全世界株式に入っている中国株が好きではなく、米国のリスクも少し抑えたい人は『おいしいところ取り』の先進国株式という考え方も」(松井証券の窪田朋一郎さん)

■元本240万円が4倍

 投信の中身がすべて株式ということに抵抗がある人は「バランス型」をうまく使う。ここで紹介するバランス型とは国内外の株式や債券等が均等に入っている投信だ。債券が入っている分、値動きがマイルドになる。

 米国株式、先進国株式、全世界株式、バランス型の中で運用コストが安く、投資家に人気があり、純資産総額が大きいものを11本まで絞った。

 これら11本に毎月1万円ずつ積み立てていたら、どれくらい利益が出たのか。SMBC日興証券が試算してくれた。米国株式は20年間で元本240万円が946万円まで3.9倍。米国株比率約70%の先進国株式も782万円、3.3倍。同60%の全世界株式は720万円、3倍。バランス型4資産は457万円、1.9倍になっていた。

 実際の運用では11本の中から2〜3本、年齢に応じて複数積み立てるのがいいだろう。

 なぜ「年齢に応じて」なのだろうか。リタイアまでの期間が違うからだ。たとえば60〜65歳の定年退職が5年先に迫ったところでリーマン・ショックのような大暴落に見舞われたら、資産を挽回できる時間が長く残されていない。これが20〜30代なら、大暴落は安い価格で多く買えるチャンスとなる。

 ところで、複数の購入や乗り換えすら面倒な人は、全世界株式の投信1本だけを買い続けるのも悪くない。なぜなら全世界株式の場合、米国株の調子が悪くなればその比率は下がり、好調な国の比率が高くなるように自動的に調整してくれるから。

「実際、日本のバブル時代と言われた90年前後は全世界株式における日本株の組み入れ比率が40%台でトップだったこともあるほどです」(SMBC日興証券の山本憲将さん)

 これまで触れてこなかった新興国株式や日本株式の投信だが、新興国株式に関しては米国株以上にハイリスク。30代以下の人がメインとは別に資産の20%以内で買うのはアリだが、初めての1本には向かない。

 日本株オンリーの投信は、積極的に推奨はしないがNGではない。貯金が円で給与も円なら、投信では海外に資産分散するのがよいだろうという考えで、今回は詳しく紹介しなかった。それにしても、日本人が必死で米国株の投信を買い続けている姿──皮肉な話ではある。(経済ジャーナリスト・安住拓哉、編集部・中島晶子)

※AERA 2021年11月22日号