服装も心も軽やかになる初夏に向けて、無駄な脂肪は落として体も軽やかになりませんか? 今回の特集は、年齢と共にやせにくくなったという人は必見です。メディアでも活躍中の話題のアンチエイジングドクター、日比野佐和子先生が今も実践している習慣を取り入れて、キレイと健康のどちらも手に入れましょう! 前編・後編にわたってお伝えします。(自分で自分の健康を守るための健康情報を発信する「セルフドクターWeb」より転載)

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■40代以降は心身にプラスになるダイエットを!

 スリムで若々しい日比野先生ですが、もともと太りやすい体質のようで、中学生時代から様々なダイエットをしては失敗し、時には体調を大きく崩したこともあったといいます。

「習慣って怖いと思ったのが、30代でアメリカに留学していた時。大きくて初めは1切れしか食べられなかったステーキを、すぐに向こうの食習慣に慣れて完食できるようになりました。アイスもパイントサイズ(473ml)の物を毎日1個は食べるような生活をしていて、結果として1カ月で17キロも太ってしまったんです」

 40代の今は、体や心の健康にプラスとなる「習慣」を身につけることで、自然と体重が落ち、ベストな状態をキープしているといいます。基礎代謝が落ち始め、一般的にはやせにくくなる40代以降。先生が実践している習慣を、ぜひとも参考にしたいところです。

「40代以降のダイエットでは、内臓が活性化し、体が若返る方法をとることが重要。内臓に負担をかけると、生活習慣病などの病気とも結びつきやすくなります。また、若返るという意味では、女性ホルモンのバランスを乱さないことも大切です」

 毎日コツコツと積み重ねていくことで身につくのが「習慣力」。ついラクなほうに流れがちな日々の習慣を、キレイと健康に向けて切り替えていきましょう。

■40歳からのダイエットは 「女性ホルモン」のケアも大切!

 女性ホルモンのエストロゲンは、血管や骨の健康維持、肌の水分や皮脂の調整、コラーゲンの生成、脂肪燃焼を促すなど、美と健康にかかわる様々な働きをしています。エストロゲンの分泌量は年齢と共に変化。エストロゲンが減り始める30代半ば以降は、心身に様々な不調が現れやすく、また基礎代謝の低下も加わって太りやすくなるといえます。

 加齢による女性ホルモン・エストロゲンの分泌量の低下は、人間の体の仕組みとして避けることはできませんが、その減り方を緩やかにしたり、バランスを整えたりすることは可能です。次のようなポイントをおさえておくとよいでしょう。

<大豆製品を摂る>
 大豆に含まれるイソフラボンという成分は、体内でエストロゲンと似た働きをしてくれます。ただし、子宮内膜症や子宮筋腫の人は控えたほうがよいといわれているので注意を。

<バラの香りをかぐ>
 バラの香りには、ホルモンバランスを整える働きがあることが分かっており、月経前症候群や更年期症状の緩和に活用されています。精油やハーブティーなどで取り入れてみましょう。

<オキシトシンを味方に>
 愛情ホルモンともいわれるオキシトシンは、ストレスや痛みの緩和、安眠をもたらす働きもあるホルモン。ペットをなでたり、愛情や思いやりを感じたりすることで活性化できます。

■朝のタンパク質がやせやすい体をつくる

「ダイエットしたいのなら、朝食は絶対に抜かないこと。朝食を抜くと、昼食後の血糖値が急激に上がるという研究データが出ています」と日比野先生。血糖値が急激に上がるとインスリンが大量に分泌され、それによって脂肪が蓄積されやすくなってしまいます。体に脂肪をためないためには、血糖値の急上昇を防ぐことが大切なのです。

 そして、必ず摂るべきなのがタンパク質。朝食に卵や肉などのタンパク質を摂ると、食事誘発性熱産生(DIT)※が上がります。近年では35度台以下の低体温の人も多くなっていますが、朝食でタンパク質を摂れば体温も上がりやすくなります。実際に先生も朝食を食べる習慣で、低体温を解消したそう。

「タンパク質は大事です。エネルギー代謝には、タンパク質に加えて糖質や脂質、ビタミンB 群なども必要で、バランスが大切です。ですから、極端な糖質制限はすすめられません。プチ糖質制限程度ならよいのですが、極端に糖質を減らすとタンパク質や脂質の割合が増え、腎臓や肝臓、すい臓に負担がかかってしまいます」

 ちなみに、ダイエットの効果を出していくには、1日の食事のボリュームを、朝5:昼3:夜2の割合にしていくのがよいそう。また、朝食にタンパク質を摂ることは、夜の睡眠にも好影響を与えることが分かっています。朝食をしっかり食べることを軸に、1日の習慣を組み立てていきましょう。

※ 食事誘発性熱産生(DIT):食事で摂った栄養素を消費するにはエネルギーが必要で、食後に安静にしていても代謝量が増えることを指す。食事誘発性熱産生はタンパク質が最も高く、摂取エネルギーの約30%が消費される。糖質は約6%、脂質は約4%

■教えて!日比野先生の「朝」の習慣

<毎朝決まった時間に起き太陽の光を浴びる>
「朝は、太陽の光で自然に起きるので、目覚まし時計は必要ないんです」。ほぼ毎朝6時にすっきりと起きられるそう。90分単位の睡眠時間を意識し、太陽の光が差し込むよう、寝る前に遮光カーテンを開けておくのがコツだとか。

 毎朝同じ時間に起きて朝日を浴びていると、睡眠ホルモンのメラトニンの分泌サイクルが整い、体内時計も整います。内臓の働きやホルモンの分泌が活性化し、太りにくい体づくりにも役立ちます。

<巡りをよくするストレッチでむくみを解消!>
「朝起きると顔がむくんでいるのは、寝ている間に体を動かしていないから。むくみ解消のため、朝はストレッチを習慣にしています」。寝たままベッドの上でできる脚のストレッチの他、肩甲骨をほぐすストレッチで顔のむくみもケアしています。

<朝食をしっかり食べて脂肪を燃焼!>
 DITは朝から昼にかけて上がるため、 朝食を食べることは脂肪の燃焼につながります。日比野先生の朝のメニューによく登場するのは、全粒粉を使って自分で作るパン、卵、きのこ類、ヨーグルトだそう。DITを上げるタンパク質、糖質や野菜をバランスよく食べています。

 後編(【続き】太りやすい体質の女医が実践する健康習慣 おやつは何? 寝る前の過ごし方は?)では、日比野先生の昼の習慣、夜の習慣をご紹介します。

監修/日比野佐和子(ひびの・さわこ)先生
医療法人康梓会Y’sサイエンスクリニック広尾統括院長。大阪大学大学院医学系研究科博士課程修了。医学博士。日本抗加齢医学会専門医。内科医、皮膚科医、眼科医。大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学講座特任准教授。現代医療を踏まえ、欧米のアンチエイジング医学、中医学、アロマセラピーなどを取り入れた診療で定評がある。アンチエイジングドクターとして各メディアで活躍中。

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