AERAの連載「はたらく夫婦カンケイ」では、ある共働き夫婦の出会いから結婚までの道のり、結婚後の家計や家事分担など、それぞれの視点から見た夫婦の関係を紹介します。AERA 2022年5月16日号では、キリンビール首都圏営業推進支社第3支店で支店長を務める植本将雄さん、アールナインで広報室長を務める植本菜月さん夫婦について取り上げました。

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 夫25歳、妻25歳で結婚。長女(14)、次女(13)と4人暮らし。

【出会いは?】中高一貫校の同級生。大学時代に妻が共通の友人と話をして夫の話題が出た時に、「やっぱり好きだな」という思いがよみがえり、アプローチ。

【結婚までの道のりは?】けんかになったとき、夫のほうから「結婚も本気で考えている」と伝えたことがきっかけ。

【家事や家計の分担は?】大学院入学以来、夫が担う家事は減ったが、食器洗いとトイレ・浴室・玄関掃除だけは必ずやると決めて実行。家計は妻が管理。

夫 植本将雄[42]キリンビール
首都圏営業推進支社 第3支店 支店長

うえもと・まさお◆1980年、千葉県生まれ。明治大学政治経済学部を卒業後、キリンビール入社。栃木工場、千葉、東京、新潟での勤務を経て、現在は首都圏の業務用市場の営業を担う。2021年にグロービス経営大学院に入学

「結婚するならお父さんみたいな人を選ぶといいよ」という妻のアドバイスを、反抗期真っただ中の娘たちがまんざらでもない顔をして聞いています。僕自身、学生時代に妻と付き合い始めたころから、一生を共にしたい理想の女性だと思ってきました。

 管理職になり、より高い視座とマネジメント力、得意先の経営者と対等に話せるビジネススキルの必要性を痛感して、大学院に入学しました。ラグビーに没頭していた学生時代を取り戻すように勉強に取り組んでいると、休日に家族と過ごす時間が減り、担う家事も限定的になってしまっています。それでも、「お父さんが勉強する姿は、きっと子どもたちにもいい影響があるよ」と応援してくれる妻には感謝しかありません。

 限られた時間の中、家族と過ごすひとときは、かけがえのない宝物です。いつだって一番元気で明るくて、家族みんなのエネルギー源である妻と、かわいい娘たちがこうしてそばにいてくれる今が、幸せです。

妻 植本菜月[42]アールナイン 広報室長

うえもと・なつき◆1979年、茨城県生まれ。早稲田大学卒業後リクルートエージェント(現・リクルート)で社内広報を担当し、出産を機に退職。2017年にアールナインに参画、バックオフィスチーム立ち上げや採用を担い、18年から現職

 子どもを持つ前は、やりたい仕事と会社からの期待が一致しているのがうれしくて、仕事に夢中で取り組んでいました。でも、親族の突然の不幸に直面したとき、自分がやることは全力で家族を守ることだと感じ、育児に専念しました。年子育児は大変でしたが、それでも全力で家族と向き合った日々があるからこそ、子どもたちの手が離れた今、新しい仕事に没頭できていると感じます。

 私は言い争いになると相手をシャットアウトしてしまうタイプなのですが、夫は、根気よく私の気持ちを引き出し解決しようとしてくれます。思春期の娘たちにうっとうしがられても、諦めずにコミュニケーションし、娘たちのオタ活にも全力で参加してくる姿が微笑ましくて、素敵なお父さんだな、と幸せを感じます。

 娘たちは巣立ち、家族の形も変わっていくでしょう。それでも夫がそばにいてくれれば、楽しい未来を描けると信じられます。日常の中に、ふたりで小さな幸せを見つけていきたいと思っています。

(構成・森田悦子)

※AERA 2022年5月16日号