AERAの連載「はたらく夫婦カンケイ」では、ある共働き夫婦の出会いから結婚までの道のり、結婚後の家計や家事分担など、それぞれの視点から見た夫婦の関係を紹介します。AERA 2022年6月13日号では、「I SWIM FACTORY」で水泳指導を行う井上麻由子さん、井上博之さん夫婦について取り上げました。

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 妻が26歳、夫が23歳のときに結婚。長女(22)は現在ひとり暮らし。

【出会いは?】妻が勤務するスイミングセンターを就職活動中の夫が見学に訪れた際、妻が一目ぼれ。翌年夫が入社し、歓迎会の2次会で仲良くなった。

【結婚までの道のりは?】赤ちゃんができたのを機に結婚することに。

【家事や家計の分担は?】掃除は夫、他の家事は妻。財布は基本別。大まかなものは夫が払う。

妻 井上麻由子[48]「I SWIM FACTORY」水泳指導

いのうえ・まゆこ◆1973年、埼玉県生まれ。淑徳文化専門学校を卒業後、都内大手スイミングセンターに6年勤務。妊娠を機に退社し専業主婦に。現在は夫と共に水泳指導に当たる。子どもの特性に合わせた指導を得意とする

 夫が退職したとき私は猛反対。彼が自分で水泳指導の事業を始めたときも「手伝わないよ」と思っていたんですけれど。教えるお子さんが増えて彼だけでは手が足りなくなり、「一回だけね」と言って手伝い始め、そのまま10年経ちました(笑)。娘には「教え子たちのことばかり考えてるよね」と言われます。

 家でも職場でもずっと夫と一緒なのが最初はイヤでしたが慣れてきましたね。面白いことを言うので「何を言ってるの」と笑わされたり。「今日あの子がこんなこと言ってたよ」などと共通の話題で盛り上がることも多いです。

 一昨年、腎臓の病気がわかって治療を始めました。一時期は不安で夫に当たってしまったけれど、今はつらいところを通り過ぎ「ありがたい」というところに着地した。夫には感謝のひと言です。コロナ禍も経て子どもたちへの接し方もすごく変わりました。技術を伸ばすのも大事だけど「プールって楽しいよね」という子どもたちの気持ちを大切にしたいって思います。

夫 井上博之[45]「I SWIM FACTORY」水泳指導

いのうえ・ひろゆき◆1977年、新潟県生まれ。天理大学体育学部卒業。都内大手スイミングセンターで選手の育成指導に当たる。2012年から東京都中央区で水泳指導を開始。ジュニアオリンピックに多数の選手を輩出

 結婚のきっかけは娘ができたことです。当時は新卒で給料が手取り16万円程度。妻は退職したので僕が2人を養う立場。今考えると「よくやったな」と思います。

 35歳でスイミングセンターを退職後、以前の教え子の保護者から「東京都の中央区で子どもの水泳指導をしてほしい」と連絡をいただいて。この辺はスイミングスクールが少なく、申し込んでも「3年待ち」だという。スポーツクラブのプールの1レーンを借りて教え始めたら口コミで広がり、今では200人近い子どもたちを指導しています。

 コロナ禍でも僕たちを信頼してお子さんを通わせてくださった保護者の方々にはとても感謝しています。この1、2年を経て、お客さんに対する思いが大きく変わりました。

 妻には暇さえあればちょっかいをかけています。ボーッと座っていれば髪の毛をぐしゃぐしゃとしたり(笑)。病気がわかった頃の妻は本当につらそうでしたが、治療を始めて大分よくなりました。ずっと元気でいてほしいです。

(構成・大塚玲子)

※AERA 2022年6月13日号