「学校に行きたくない」。ある日、子どもがこう言ったら、親は何と答えたらいいのでしょうか。休ませるべき? 理由は聞いたほうがいいの? 子どものSOSに対し、親がやることを「不登校新聞」編集長の石井志昴さん、臨床心理士の南谷則子さんに伺いました。現在発売中の『AERA with Kids 2022年夏号』から一部抜粋してご紹介します。

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■まずは心と体を休ませる「学校よりあなたが大事」

「不登校の理由を取り除けば行くようになると思われていた時代もありますが、今の考え方は違います」と南谷さんは言います。「学校が嫌だ、という場合は子どもにとって学校が不快刺激になっている可能性があります。無理に連れて行かず、まずは休ませてください」

 石井さんもこう話します。

「不登校とは、学校を休んでいることを問題視する言葉ですが、子どもにとって問題は学校に行っている間に起きているんです」

 学校に行っている間にさまざまなことで苦しみ、やっとの思いで親に「行きたくない」と打ち明けたことは、一番つらい時期を脱したサインでもあるのです。

 まずは受け止めて、「学校よりあなたが大事」という心持ちが伝わると自ら話し出すこともあります。

■OKな声かけは「わかった」「休もう」

「『学校に行きたくない』と言われたとき、親がやることはただ一つ。『わかった』とだけ言って、休ませることです」と石井さん。

 親から見たら、「突然なぜ?」と思いますが、子どもにとっては「ようやく伝えることができた」勇気ある行動であることが多いと言います。たとえ、気軽に出したSOSだったとしても、まずは「わかった」と受け止め、その日だけでも休む提案をしましょう。

「中高学年になって急に言い出した場合、疲労やストレスが蓄積されている可能性があります。無理に理由を聞かず、『あなたの味方だよ』というメッセージを伝えてください」(南谷さん)

■「なんで?」「1日だけ頑張ってみよう」はNG

「学校に行きたくない」と突然言われたら、「なんで?」と聞きたくなるのは親として当然のこと。

「子どもとしては、わかってもらえないかもしれないから“言えない”気持ちと、なぜ行けないのか“わからない”気持ちがごちゃごちゃになっています」と石井さん。

 そこに、「なんで(行けないの)?」という言葉をかけてしまうと、子どもをさらに追い詰めることに。

「1日だけ頑張ってみよう」もNGワード。1回休んでしまったら、そのまま不登校になるのではないかと心配になるのもわかりますが、子どもはすでに強いストレスを受けているので、もっと苦しくなってしまいます。

※記事前編<<ある日突然、不登校に…子ども自身も「行けない理由がわからない」ことも 不登校新聞編集長に聞く>>から続く

 (取材・文/高橋亜矢子)

〇石井志昂(いしい・しこう)さん/「不登校新聞」編集長。中学受験を機に不登校。不登校新聞の編者として、当事者や親、識者など400人以上に取材。著書『「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること』(ポプラ社)。

〇南谷則子(みなみたに・のりこ)さん/臨床心理士、小児発達学者。公立学校でスクールカウンセラーをしながら、不登校の子どもを持つ親の支援グループプログラムに取り組む。千葉大学子どものこころの発達教育研究センター特任研究員。

※『AERA with Kids 2022年夏号』から一部抜粋