AERAの連載「はたらく夫婦カンケイ」では、ある共働き夫婦の出会いから結婚までの道のり、結婚後の家計や家事分担など、それぞれの視点から見た夫婦の関係を紹介します。AERA 2022年7月18−25日合併号では、Lucor代表取締役の松永佐和子さん、Recursive共同創業者兼取締役COOの山田勝俊さん夫婦について取り上げました。

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 夫32歳、妻29歳で結婚。長男(2)と3人暮らし。

【出会いは?】2012年、会社の採用試験を受けた妻を、夫が面接。かつて同じ会社に属していたことが判明する。

【結婚までの道のりは?】共通の友達も含めて、時折会うようになった。1年半ほど後、夫のサプライズバースデーパーティーで久々に再会。1年ほど付き合って結婚した。

【家事や家計の分担は?】平日の家事は週3日働く妻が多く担うが、得意、不得意で分けている。家計の管理は夫が担当。

妻 松永佐和子[36]Lucor 代表取締役

まつなが・さわこ◆1985年生まれ。横浜市出身。2008年、国際基督教大学卒業後、ルイ・ヴィトン ジャパンに就職。その後、人材紹介会社などを経験。19年、長男を妊娠中にLucorを起業。育児支援、企業研修など女性支援や女性の力を生かす事業を複数展開

 コロナ禍前から二人とも在宅ワークです。二人とも家で仕事モードなことが多くて、お互いがリラックスするタイミングがなかなか合わないんですよね。仕事で疲れてぐだっとしているところで、いろいろ話をするのも難しいじゃないですか。

 でも、結婚はゴールではなくて、二人の始まりです。お互いにどんな関係を作っていくか、どう生きたいか、話し合いをするようにしていました。ただ、子どもが生まれてから忙しくて、その時間がなくなってしまいました。じゃあ、話す時間を決めようということになり、週末の朝ご飯は二人でゆっくり食べるようになりました。

 そこまで考えていますけど、私、昔から結婚にあこがれみたいなものはありませんでした。友達からは結婚したことを驚かれたくらい。じゃあ、どうして結婚したかと言うと、自分だけじゃ踏み出せない領域に行けそうだなって思ったんです。この人と生きたら、人生が面白くなりそうな気がしました。

夫 山田勝俊[39]Recursive 共同創業者兼取締役COO

やまだ・かつとし◆1982年生まれ。東京都出身。2008年、豪のディーキン大学経営大学院修了。帰国後は、2社を起業した。20年にサステナビリティー向けAIの研究開発と新規事業開発支援を行うRecursiveを共同創業。プロ人材としても、複数の企業の事業開発を支援

 付き合っていた8年くらい前、僕は底辺にいました。取締役をしていた企業がうまくいかなくて。月収15万円くらいだったのが、途中でゼロになって、ボロボロでした。

「世界を変えるんだ」みたいな感覚で突き進んでいたけど、実態はなくて、すごく苦しくて、孤独だったんです。

 お金がないからデートは公園か僕のオフィス。そんな無茶(むちゃ)な大波に乗っていましたが、彼女は「この船に乗ったら面白そう」と思ってくれたようで。彼女の存在は女神でしたね。彼女が人の温かみを忘れていた自分を救ってくれたんです。僕が自分の親にそっけない態度を取ったときは、「失望した」と言ってくれました。そんなことを言われたのは初めてでした。

 妻でありながら、メンターのように成長させてくれました。それ以降、状況は完全に好転し、多くの人から公私で「ありがとう」と言ってもらえるようになりました。今では二人がワクワクする、もっと大きな夢に向かって進めています。

(構成/編集部・井上有紀子)

※AERA 2022年7月18−25日合併号