「コンビニ百里の道をゆく」は、53歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。

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 健康のために、食べるものに気をつかっている方は多いと思います。

 健康でいれば「好きなものを食べ続けることができる」とも言えますよね。

 これまで食事で注意すると言えば、糖質にしろ塩分にしろ「多くとりすぎず、控えめにしよう」という、「制限系」の意識が強かったと思います。その意識が、コロナ禍を経て変わってきています。

 ある調査によると、コロナ前と比較して「栄養バランスのとれた食事」や「免疫力がつく食事」をより意識するようになっているそうです。

 それを背景に、健康のために引き続き「低糖質」「低カロリー」を求めるニーズはありつつも、一方で「たんぱく質」「食物繊維」といった栄養成分を「体によさそうな食材・食品」として意識して積極的に摂取する人が増えてきています。

 以前の「制限系」の健康食品は、ダイエット中の方や、どちらかというと健康に自信のない方、実際に制限が必要な病気をお持ちの方などが主なターゲットでした。しかし最近は健康な人や体力に自信のある方が、栄養成分をどんどんポジティブに取っていこう、という意識に変わりつつあるんです。

 つまり、健康を保つために、制限して「OFF」した商品だけではなく、栄養成分を「ON」した食品を求める方が増えています。

 ローソンでは、引き続き控えたいという声の多い「糖質」などのOFFも強化しつつ、「食物繊維が摂れる 梅しそごはんおにぎり」や「たんぱく質10g入りのむヨーグルトバナナ」など、ニーズが高くなっている「食物繊維」「たんぱく質」をONにした商品を発売しています。

 皆さんも「制限」するばかりではなく、「栄養価をON!」の発想で、ご自身の食生活について考えてみてはいかがでしょうか。

竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長

※AERA 2022年9月12日号