「生活保護」の状態から、奨学金や借金でハーバード大学に進学したパトリック・ハーラン(パックン)。現在では東京都心に邸宅を構え、お金に悩まされずに、家族と楽しく過ごしています。この大逆転の理由を、パックンは「お金を育てる方法」を知っていたから、と語ります。最新刊『パックン式 お金の育て方』では、誰にでもマネできるお金との付き合い方を紹介しています。ハーバード卒業後、来日したパックンが驚いた「投資に対する日本人の偏見」とは? そして、投資への正しい向き合い方を解説。金融教育に遅れを取っている日本で投資に踏み出したいのに一歩が重い方向けのパックン式メソッドを、本書から一部を抜粋・再編して大公開します。
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■「投資はギャンブル」なのか!?
僕が日本に来て、まず最初に驚いたことは、ジャッキー・チェンがいなかったことです。なぜか、僕はずっと「ジャッキー・チェンは日本のスターだ!」と思っていました。
そして、その後でもっと驚いたのは、「投資はギャンブルだ」という考え方でした。
みんなも、この主張を聞いたことがあると思いますが、完全に誤解です。
僕は、投資が大好きです。けれども、ギャンブルは大嫌い。
だから、もし投資のことをギャンブルだと思っている人がいたら、ここでその誤解をすぐに正してあげたい!
たとえば、新しい架空人物である佐々木さんが友達と、「1万円じゃんけん」といって、勝ったほうが負けたほうから1万円をもらうというルールでじゃんけんしたとしましょう。
これは明らかにギャンブルです。
こんなバカなこと、絶対しないよね?(そもそも法律違反だよ!)
では、佐々木さんが1万円を出して、洋服を買ったり、食事をしたり、この本を家族の人数分だけ買ってくれたりしたらどうですか?
これはギャンブルではなく、買い物でしょう。
佐々木さんが使っているのは、同じ1万円です。が、使い方に大きな違いがあります。わかりますか?
前者の使い方では、「負ける人」がいます。
「勝った人が負けた人からお金をもらう」というWin−Lose のルールだから、佐々木さんは、もしもじゃんけんでチョキを出して、相手がグーを出したら1万円がパーになります。つまり意味なく無駄に消えるのです!
じゃあ、後者の例ならどうでしょうか?
佐々木さんは、たしかに1万円を失います。けれども、その代わりに洋服や食事、家族からの(永遠の)感謝などの価値あるものを手に入れています。
そして、実際に商品を売ってくれたお店も1万円を手に入れています。
これはWin−Lose ではなく、Win−Winになっています。日本語でいうと、「勝ち勝ち」だぜ!
そして、この2つの例のうち、投資は後者に近いものです。
■投資とは、価値のあるものの買い物
なぜなら、投資することで「価値のあるもの」を手に入れているから。
たとえば、株式投資なら、お金を払う代わりに株式が手に入ります。
株式についてはあらためて取り上げるけれど、簡単に言うと、株式とは「会社の価値そのもの」です。
株式を持てば配当金をもらえたり、会社の経営に口出しできたりもします。
債券や不動産などの投資商品にも同じことが言えます。
そのもの自体に価値があり、それらにお金をかけるとしても「賭けている」わけではないのです。
では一方で、ギャンブルはどうでしょうか?
たとえば、「ロト6」という宝くじは、6つのナンバーを当てれば、お金がもらえます。
買う人は当たる極小の可能性にお金を賭けているだけです。「価値」という概念は、どこにもありません。
だって、「5に価値があるから、今回は555555にする!」みたいな人はたぶん一人もいませんもんね。
いたら逆に、詳しく話を聞きたいです!
そんな方は(もちろん、そんな方じゃなくても)ぜひ11月18日(金)発売の『パックン式 お金の育て方』を読んでみてください。
僕は「ギャンブルをするなら、お金ではなくて人生でやろう」という考えをモットーにしてきました。
『パックン式 お金の育て方』には、人生をもっともっと楽しくしたい方が、お金の悩みから解放されるような内容をたくさん詰め込みました。
今までなんとなく知ったかぶりをしていたお金の知識が、しっかりと整理できて、はっきりと理解できると思います。
良かったら、読んでみてね!
(構成/増田侑真)
パックン
本名:パトリック・ハーラン。芸人・東京工業大学非常勤講師。
1970年11月14日生まれ。アメリカ・コロラド州出身。93年ハーバード大学比較宗教学部卒業。同年来日。97年、吉田眞とお笑いコンビ「パックンマックン」を結成。NHK「英語でしゃべらナイト」「爆笑オンエアバトル」をはじめ、多くのテレビ番組に出演し、注目を集める。「AbemaPrime」「報道1930」でコメンテーターを務めるなど、報道番組にも多数出演。2012年10月より池上彰氏の推薦で東京工業大学の非常勤講師に就任。コミュニケーションと国際関係についての講義も行っている。二児のパパ。
25年以上の投資歴があり、金融教育の講師として全国各地で講演会も行っている。
最新刊の『お金の育て方』では、「生活保護」状態から「お金持ち」になるまでに身につけた、誰にでもマネできる、お金との付き合い方を詰め込んだ。