「生活保護」の状態から、奨学金や借金でハーバード大学に進学したパトリック・ハーラン(パックン)。現在では東京都心に邸宅を構え、お金に悩まされずに、家族と楽しく過ごしています。この大逆転の理由を、パックンは「お金を育てる方法」を知っていたから、と語ります。最新刊『パックン式 お金の育て方』では、誰にでもマネできるお金との付き合い方を紹介しています。厳しい貧乏生活も知っているパックンは、どのように「お金を使う」判断をしていたのでしょうか? パックン式のお金の使うコツを本書から一部を抜粋・再編して大公開します。

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■節約していたら、人生つまらないの!?

 インタビューとかで「節約」についてたくさん語っているから、「パックンって人生を楽しんでいないのでは?」と思った人も、もしかしたらいるのかな?

 でも、そんなことは全然ないよ!

 たしかに僕は高級車に乗ったり、高いブランド品を身につけたりはしません。豪華なディナーもほとんど食べないし、派手な飲み会にもあまり参加しません。

 でも、決して我慢しているのではなくて、どちらかというと、自らの選択によって、もっと豊かな「人生」を優先している感覚に近いのです。

 少しだけ工夫をしているから、最高に楽しい夜を友達とも過ごせています。もちろん、数万円の飲み会にも全然劣っていません。

 しかも、その工夫のおかげで経済的な安定も手に入れて、資産の形成もできているのです。

「目的のある我慢」をしたおかげで、家の頭金も蓄積できたし、(楽しいけど)不安定な面もある芸能の仕事に挑戦し続けられています。

■お金を使うときは、「自分の喜び」に素直になろう

 でも僕だって、場合によっては、自分の喜びにつながることに大金をかけることもあります。

 たとえば、今は家族で行く海外旅行には割とお金を使っています。

 家族も4人いるから、物価の安い国に旅行しても100万円くらいはかかってしまいます。

 でも、20代から積み重ねてきた、日々の節約と投資のおかげで、安心して大好きな家族と素敵な思い出作りに励めます。

「今から老後のために備えなきゃ!」と思っていたら、そんなに高額な出費は我慢せざるを得ないかもしれません。

 でも、それよりも僕は、今の自分にとって価値があるものにお金を使いたい。

 僕が日本に来て、最初にした大きな買い物は、ずっと憧れていた750ccの大型バイクでした。たしか、当時、15万円で買いました。

 あのときは、友人のツテを使って、市場価格よりもさらに安く買えたのでラッキーでした。

 あのバイクは、当時の僕にとって手が震えるほど高い買い物でしたが、後悔したことは一度もありません。

 感覚的には、あのバイクから得られた幸福は500万円をはるかに超えています。

 これは「投資」と考えても、高い利益率だと思います。

 15万円のバイクは、僕をいろいろなところに連れて行ってくれました。

 日本のいろいろな場所に僕の思い出を作ってくれたし、奥さんとデートした思い出も残っています。それに、バイクは家の前に置いているだけでかっこいいもんね!

 こんなふうに、自分が心から喜べることにお金を使うなら、僕は大賛成です。そのお金を節約してまで投資をすべきとは思わない。

■「思い出への投資」なら、お金を使ったっていい! 

 普段から節約しているならば、「思い出には投資すべき」です。

 タクシーに乗ったこと、ボトルウォーターを買ったこと、外食したことなどは、数年どころか、数日経ったら忘れてしまうはずです。

 でも、海外旅行した記憶は、死ぬ日まで残ると思います。

 だったら、そちらにお金を回しませんか?

 もう一つ、「お金をかけただけでは、幸せになれるとは限らない」ということも、頭に置いておきましょう。喜びを得られないものにお金をかけたってしょうがない。

 自分の価値観で測ってみて、価値があると思えるものにだけお金を使うのがポイントです。

 そして、せっかく喜びを感じているなら、長く使いましょうね。モノを長持ちさせるのは、昔から日本の美徳でもあります。しかも、今の環境意識にも投資家意識にも合う考え方です。温故知新!

 ここまで僕の考えをたくさん話しましたが、答えはもちろん人それぞれです。

 何が自分を幸せにしてくれるのか、何が無駄遣いなのか。

 試行錯誤をして、ときには失敗をしながら、「節約筋」を鍛えていきましょう!

 もし「節約筋」ってどうしたら鍛えたらいいかわからない、という人は、『パックン式 お金の育て方』を手に取ってみてください。

 イラストいっぱいで見やすく、節約のポイントをしっかりまとめています。

(構成/増田侑真)

パックン
本名:パトリック・ハーラン。芸人・東京工業大学非常勤講師。
1970年11月14日生まれ。アメリカ・コロラド州出身。93年ハーバード大学比較宗教学部卒業。同年来日。97年、吉田眞とお笑いコンビ「パックンマックン」を結成。NHK「英語でしゃべらナイト」「爆笑オンエアバトル」をはじめ、多くのテレビ番組に出演し、注目を集める。「AbemaPrime」「報道1930」でコメンテーターを務めるなど、報道番組にも多数出演。2012年10月より池上彰氏の推薦で東京工業大学の非常勤講師に就任。コミュニケーションと国際関係についての講義も行っている。二児のパパ。
25年以上の投資歴があり、金融教育の講師として全国各地で講演会も行っている。
最新刊の『お金の育て方』では、「生活保護」状態から「お金持ち」になるまでに身につけた、誰にでもマネできる、お金との付き合い方を詰め込んだ。