教員を確保できない「未配置」となる公立学校が増えている。最大の要因は、正規教員の少なさだという。自治体に協力を得て実態を調査した佐久間亜紀・慶應大学教授が解説する。2022年11月28日号の記事を紹介する。

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 教員未配置問題に関して、国は産休・育休、病休者数の増加や特別支援学級数の増加などを要因として挙げていますが、最大の要因は正規教員の数が少なすぎることです。

 私の研究室が調査したある県では、昨年度の5月時点で小中学校の教員が1971人足りず、臨時的任用教員(臨任)、いわゆる非正規のフルタイム教員を1821人配置しました。不足分は非常勤教員で補いましたが、それでも28人は「未配置」となりました。

 県のデータを分析したところ、育休期間が1年以内だった人が2014年には約半数でしたが、18年には3割以下に減るなど取得期間が大幅に長期化していました。教員の多忙化や定時退勤の難しさによってなかなか職場復帰できない実態も明らかになりました。ただ、その県の21年度1月時点で産育休取得者は867人、病休者は87人でした。つまり、年度当初から正規教員がきちんと配置されていれば、1821人の臨任で十分に対応できたはずです。

 正規教員不足の背景には、国が2000年以降進めてきた行財政改革の影響や、国が05年の第7次教職員定数改善計画以降、正規教員の定数を増やすのをほぼ停止したことで、地方自治体が少子化に備えて、正規教員の採用数を抑制してきたことがあります。教員未配置は政策的な要因で起きている問題なのです。

 アメリカでも教員不足が深刻化し、学校が週4日しか開けない地域や、教員免許を持たない退役軍人が教壇に立つ地域も出ています。日本でも、公立学校の学びを守るために、この問題に立ち向かわなければいけない時期にきています。

(編集部・深澤友紀)

※AERA 2022年11月28日号