あれもこれも値上げラッシュが止まらない。公表された消費者物価指数の内訳を見てみると、何がどれだけ上がっているのかよくわかる。特に値上がりが著しいものは何か。2022年12月5日号の記事を紹介する。

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 日本でも本格的にCPI(消費者物価指数)が上がり始めた。10月の生鮮食品を除く総合指数は前年同月比3.7%アップ。これは1982年2月以来の上昇率で、過去の消費税導入、引き上げ時をしのぐ数字だ。あなたも値上げラッシュを肌で感じているだろう。

 小麦粉や食用油といった原材料や調味料はもとより、食品の価格は2度、3度と改定されたものも多い。ビールや缶チューハイ、外食チェーンの料金も然り。今後、私鉄運賃やタクシー料金などの引き上げも計画されている。もはや値上げのニュースに驚かなくなった。

 冒頭でCPIは3.7%上昇と書いたが、特に上がっているのはどれだろう。品目別に見ると、食料全体では前年同月比6.2%だったが、漁船に使われる燃料高騰などが影響し、生鮮魚介は16%も上昇。日々の自炊に欠かせない食用油は35.6%、スパゲティの麺は19.5%の高騰だ。再生紙から作るトイレットペーパーなど、生活必需品も値上がりしている。そしてライフライン。特に電気・ガス料金は痛く、電気代20.9%、都市ガス代26.8%アップとなった。

 一連の物価上昇は、いくつかの要因がもたらしたもの。その中でも連想しやすいのは、ロシア・ウクライナ侵攻関連だろう。ロシアからの石油・天然ガス供給は減っている。ウクライナには世界有数の穀倉地帯があり、穀物輸出も滞り気味だ。

 もっとも、ウクライナ侵攻以前から世界的にインフレ傾向はあった。新型コロナ以降、経済活動が少しずつ再開するにあたりエネルギー・資源の需要が急拡大。拡大したはいいが、流通網の対応が消費者のニーズに追いつかず、供給不足が深刻化した面もある。空前の半導体不足も、こうした混乱の中で発生している。

 あらゆるものを輸入に頼る日本の場合、1ドル=一時151円台の超円安も値上がり要因になった。中身の値段が同じでも海を渡る際に高くなってしまう。円安トレンドは一服したように見えるが、インフレそのものは世界的な現象。今後も値上げ傾向は続くだろう。(金融ジャーナリスト・大西洋平、編集部・中島晶子)

※AERA 2022年12月5日号より抜粋