デビュー作「影裏(えいり)」で第157回芥川賞(日本文学振興会主催)に輝いた沼田真佑(しんすけ)さん(38)は、西南学院大学(福岡市)の出身だ。近年の芥川賞、直木賞の受賞者をみると、西南学院大出身の作家が立て続けに受賞している。

 両賞の受賞者は、早稲田大出身が64人と最も多く、東大が31人。西南学院大OBでは、2012年に葉室麟さん(66)が「蜩ノ記」で、15年に東山彰良さん(48)が「流」で、それぞれ直木賞を受賞。沼田さんが3人目となる。

 西南学院大は、1949年に開学した、キリスト教教育を特色に掲げる大学だ。文学の世界で同大が強いのはなぜなのか。K.J.シャフナー学長はこう話す。

「読書好きの学生を育てようと、作家や著名人らを招き、読書の魅力などを語ってもらう講座を開いています。音楽会や演劇鑑賞会なども定期的に開催しています。文学だけでなくさまざまな文化に触れる機会が多いことが、理由のひとつではないかと思います」

葉室さんは沼田さんの受賞を受け、こう話す。

「OBとして率直にうれしいです。西南学院大は自由な雰囲気で文化的な匂いの強い大学。生き方や人格といった内面的な事柄を理解するために時間を費やすことができる。そうした環境が、彼の作品にも影響を与えているのかもしれません」

(文/竹内良介)