漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏が、「ねこねこ55」(NHK Eテレ 気まぐれに放送中)をウォッチした。



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 猫といえばNHKである。朝ドラ「あまちゃん」で夏ばっぱ(宮本信子)が飼っていた猫・かつ枝はおなじみだけど、「梅ちゃん先生」「ごちそうさん」「花子とアン」など、チラチラ猫が出没する。大河ドラマ「おんな城主 直虎」では南渓和尚(小林薫)の懐に抱かれている猫、通称「にゃんけい」から目が離せない。

 もちろんなんと言っても猫番組の金字塔は、「岩合光昭の世界ネコ歩き」(BSプレミアム)だ。「いいコだにぇ〜。かわいいにぇ〜。ちょっと丸くなってみようか。いいにぇ〜」。岩合さんの声だけ聞いていると、あらやだ、うっかり脱がされちゃう!とグラドル気分を味わえるが、映像はひたすら猫。風の音、草がざわめく音、鳥のさえずり。画面から猫が去っても、カメラはしばし留まり風景の中に余韻を残す。「ネコ歩き」の魅力は静けさだと思う。

 そんな数あるメジャーな猫番組の陰で、マニアックな猫愛番組がひっそりと放送されているのをご存知だろうか? それが「ねこねこ55」だ。「ねこだけに、Eテレで気まぐれに放送中」らしい「キャットいう間の10分間」。脱力系の歌と共に「眠れねこねこ」では猫の寝姿、「平井さんとねこ」では気象予報士・平井(信行)さんが天気図を指す指示棒(黒い玉がついている)に猫が激しく反応。テレビ画面の前で荒ぶっている様子が紹介される。

 ロス・プリモスが歌う「どうしてそんな名前ですのん?」は、「なんでですのん、なんでですのん」と気づけば口ずさんでる自分がこわい。番組全体の絶妙にゆる〜い空気感、どこかで味わったことがある……と思ったら、「だんご3兄弟」やEテレの「ピタゴラスイッチ」を監修している佐藤雅彦さんが関わっているもよう。ほんとに「だんごだんご」「ねこねこ」と、一般大衆をコロコロころがして最後に旗ポーンと立てるのが上手いんだから。

 こうしたちょっとした隙間のような時間にも、ぬかりなく張りめぐらされる猫ネット。昼間の帯番組「ごごナマ」でも、まったく人慣れしない「ネコ編集長」(岩合さんがゲストの時はデレてたけど)がウロウロしている。朝から晩まで猫づくし。実はNHKは「猫放送協会」の略称で「日本を猫まみれにしてやろうか」計画のため、日々猫のプロパガンダに専心しているって言われても、信じる。

※週刊朝日 2017年12月29日号