紀州のドン・ファンと異名をとる、和歌山県田辺市の実業家、野崎幸助氏(77)が5月24日、急逝した。



 当初は病死かと思われたが、和歌山県警が行政解剖をした結果、簡易鑑定で覚せい剤の反応があり、事件性があるとなり、地元では大騒ぎとなった。

 野崎さんは酒類販売や不動産業、避妊具販売で財をなし、「これまで美女4000人に30億円をつぎ込んだ」と豪語。

「紀州のドン・ファン」という異名で知られ、著書「美女4000人に30億円を貢いだ男」(講談社)を出版。

 また、惜しげもなく、マスコミに自宅にある札束の現金や高級貴金属、絵画を公開。記者も以前、野崎さん宅を訪ねたことがある。

「この絵は2億円かいや2億5000万円やわ」

「こっちの絵、5000万円な」と平然と言いながら案内してくれ、自宅のタンスの引き出しには100万円の札束がいくつも入っていた。

 2016年2月には交際していた女性を自宅に招いたところ、現金600万円、貴金属類5400万円相当が盗まれたこともあった。

 それが大きく報じられると、その名は一躍、知れ渡り、今年2月には大きな転機が訪れる。

 55歳も年下の”自称モデル”のSさん(22)と結婚したのだ。野崎さんの親族はこう話す。

「もうワシの人生でこのこしかないと、口説いたそうや。55歳も下で、ちょっと派手な印象な娘。大丈夫かなと思っていたが、新婚生活やと一緒に和歌山の自宅で暮らし始めた」

 だが、Sさんは、モデルの仕事があると、和歌山と東京を往復する日々だったという。前出の親族によれば、5月24日の夜、急に連絡があったという。

「Sさんが、寝室に行ったら、幸助が倒れていて、救急車を呼んだが息がないと電話してきた。病院に運ばれたが、息を吹き返すことはなかった。後で聞いたら、ソファに座ったままの状態で倒れ、お手伝いさんが人工呼吸をしようと横に寝かせてみたのですが、ピクリとも動かなかったそうです。亡くなる数日前に会ったのですが、ごく普通に元気そうだったのに…」

 野崎さんの遺体は「変死」として和歌山県警に連絡が入り、行政解剖となった。その後、簡易鑑定で覚せい剤反応が出たのだ。

「それがあったのか、5月26日と29日、2回、警察が幸助の自宅に捜索にやってきました。遺体が戻り、29日に通夜だったのですが、その時も警察の人が20人以上もいて、捜索し、すごい物々しさでしたよ。そして、妻や親族や会社従業員、お手伝いさんらが次々に警察に呼ばれました。『覚せい剤はやってないか』とびっくりするようなことを聞かれ、注射痕がないか、尿検査もされたそうです。また、幸助の知人らには警察から、覚せい剤をやっていたか、という問い合わせが次々に入ったそうです」(前出の親族)

 和歌山県警は地元の所轄署に加えて、本部から2人の捜査員を派遣。事情を聞いているという。

「野崎さん自身が覚せい剤を使用していた様子はうかがえない。何者かに覚せい剤を飲まされ、中毒死したことも考えられる。事件性があるかどうか、わからない。しかし、和歌山では古くはカレー毒物混入事件、最近では白浜で夫が妻を事故死に見せかけ殺害していた事件があった。慎重に捜査を進めている」(捜査関係者)

 野崎さんが経営していた会社の関係者はこう話す。

「警察から『覚せい剤やっとらんか』と腕をまくられ、尿検査もされた。社長の自宅の捜索も、隅から隅まで徹底して調べていた。あんな様子見ていると、そりゃ、覚せい剤を飲まされて死んだと思いますよ。実は社長、全財産を愛犬に相続させると話していた。その愛犬が突然、5月6日に死んだんです。すると後を追うように元気だった社長も急死。絶対におかしいと思います」

 野崎さんは記者が取材した際、こう話していた。

「仕事も女性も一生現役、死ぬまでや。だから元気でおれる」

 その言葉通り、現役のまま、「謎の死」を遂げることとなった。一体、何があったのか?