いよいよ新しい元号「令和」が5月1日から始まる。世の中はお祝いムードで、当日は連休中にもかかわらず婚姻届などを出す人も多いとみられる。だが、喜んでばかりいられない。システム障害のリスクがあるのだ。

 実際、一部の金融機関では、コンビニATMの利用で誤表示が起きた。システムエンジニア(SE)らは、連休中でも気が抜けない日々が続く。

 令和は4月1日に発表された。政府が改元1カ月前に発表した大きな理由は、システム改修の時間を確保すること。1989年の昭和から平成の改元時に比べ、世の中の情報システムは大規模かつ複雑になった。慎重に対応しないと、思わぬトラブルにつながる。

 危惧したとおり、一部で改元に伴う障害はすでに発生している。横浜銀行や北海道銀行、北陸銀行は4月29日までに、コンビニATMの利用で誤表示が起きているとして、ホームページ上でおわびし注意を呼びかけた。

 障害の内容は、各銀行のキャッシュカードでATMで振り込みをしようとすると、本来「2019年5月7日」と表示されるべきところが、「1989年5月7日」と誤って表示されるもの。銀行側は原因をホームページ上で説明していないが、令和元年(2019年)を平成元年(1989年)と読み違えているようだ。

 予約された振り込みは、連休明けの5月7日に正常に実施されるという。障害は表示だけの問題のようだが、ネット上では、「過去に振り込めることになっている」などと驚きの声が挙がっている。

 ローソン銀行の担当者は、コンビニATMのシステム自体に問題はなく、提携金融機関側の問題の可能性があるとしている。誤表示は5月1日の改元で解消される見通しだ。この程度のトラブルなら実害はないと思われるかもしれないが、大手電機メーカーのSEはこう警鐘を鳴らす。

「改元に向けて、各システム会社はテストを繰り返してきましたが、トラブルを100%防ぐことは難しい。今のシステムはネットを通じて複雑に絡み合っているので、思わぬところに障害が出る恐れがあります」

 特に心配なのが5月1日の改元当日ではなく、連休明けの5月7日だという。

「10連休というかつてない長期間の休みで、処理すべきデータが大量にたまっています。連休明けに一気に処理する必要がありますが、そのタイミングで障害が起きると、大規模なトラブルにつながりかねません」(大手電機メーカーのSE)

 システム会社の担当者は、連休返上でトラブル警戒にあたっている人が多い。

「SEはもともと、みんなが休むときに仕事をするものです。トラブルがないのが当たり前なので、連休明けまで気が抜けない」(同)

 中小企業の中にはシステム改修が間に合わず、5月1日以降も平成の表示が続くところがあるとみられる。消費者としては、振り込みなどの取引が正常にできているかをチェックし、トラブルがあったとしても落ち着いて行動することが求められる。新しい時代の幕開けがシステム障害で混乱するのは、避けたいものだ(本誌・多田敏男)

※週刊朝日オンライン限定記事