お堀の内に住む天皇や皇族方が、その胸の内をそっとにじませる。宮中の「歌会始」もその機会のひとつだろう。昨年秋、秋篠宮家の長女、眞子さまの誕生日に、婚約内定者の小室圭さんの論文が弁護士会で認められた。緊急事態宣言により「歌会始」は残念ながら延期となったが、眞子さまは喜びを、披講予定の和歌に詠んでいたのだろうか。



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 伝統の節回しにのせた和歌の調べが皇居・宮殿「松の間」に響きわたる。はりつめた空気のなか、天皇、皇后両陛下をはじめ、皇族の和歌が順に読み上げられてゆく。

 例年であれば、1月には天皇陛下が主催する宮中の伝統行事、「歌会始の儀」が執り行われていた。令和3年のお題は、「実」。延期となったが、開催されれば、注目を集めるのは、眞子さまの和歌が披講されるタイミングだろう。

「小室さんとの結婚問題を連想させるような和歌がまた披講されるのではと、記者たちの間で話題にあがっていました」(皇室ジャーナリスト)

 というのも、眞子さまは節目節目で、「メッセージ」にも受け取られるような言葉を発信してきたからだ。

「望」が題となった昨年の歌会始で披講された眞子さまの和歌は、婚約内定会見で互いを月と太陽にたとえた際に、話題に出した「月」を詠み込んだ。

望月に月の兎が棲まふかと思ふ心を持ちつぎゆかな

 皇族が、「歌会始」の和歌に、大切な人物への思いを込めるのは珍しいことではない。皇后雅子さまは結婚して初めての歌会始では、当時の皇太子さまと一緒に琵琶湖に映る月を眺めた思い出を詠み、以後も愛子さまへの愛情を詠み続けてきた。眞子さまや佳子さまも家族への愛情を歌っている。

 皇室の和歌の御用掛を務めた故・岡井隆さんは、歌会始について記者にこう語ったことがある。

「天皇家でも恋人同士で詠み交わされる恋の歌である相聞歌は、数多く詠まれてきた。歌会始に応募する一般の人も皇族方も、歌会始と気構えずに、恋の歌も自由な気持ちで出してほしい」

 眞子さまが、愛情がにじむ和歌を詠んだとしても、驚く話ではない。

 一般的に、歌会始の和歌は、12月中に御用掛に渡される。

 眞子さまは昨年11月に、結婚は自分たちにとって<必要な選択>と記した強い「お気持ち」の文書を公表した。続けて、父の秋篠宮さまが11月末のお誕生日の会見でふたりの「結婚を認める」と発言。

 さらに、12月には西村泰彦(ひでてつ)宮内庁長官が、小室さんの代理人弁護士を宮内庁に呼び出し、金銭問題について話し合いの場を持った。その翌日には、小室さんの弁護士や小室さん、小室さんの母親が「説明」を果たしてゆくことが重要と言及するなど、劇的な展開を見せた。

 実は昨年の眞子さまの誕生日には、小室さんからの思いもかけない「プレゼント」があった。

 眞子さまの誕生日にあたる2020年10月23日。NY州の弁護士会が主催する、学生を対象にした論文の選考会が行われた。そこで、小室さんの論文が、2位に選ばれたのだ。

 この結果は、NY州弁護士会のホームページに、小室さんの顔写真とともに掲載されている。

 長く伸ばした前髪をセンターでわけ、うっすら伸びたヒゲに灰色のTシャツを着た小室さんは、ラフな学生風。

 信州大学特任准教授でNY州の弁護士資格を持つ山口真由さんは、素晴らしい結果と称賛しつつこう分析する。

「論文も読んだ限りでは、非常に英語力が高い。ネイティブと戦おうと応募する積極性は、米国で勝負するならば欠かせない要素です。過去の受賞者の進路は、米国のトップ100に入る有名な法律事務所に就職した人も。将来が約束されるわけではないが、NYで活躍する弁護士やビジネスマンとの人脈を築くチャンスではあります」

 小室さんの論文に目を通した法律の専門家は、「汗をかいてリポートをつくったというよりは、見栄えのいい書き方をした論文。いまどきなのでしょう」という印象を抱いた。

 一方で、米国事情に詳しいジャーナリストの多賀幹子さんは、小室さんの自己紹介欄に、戦略の上手さを感じたと話す。

「趣味をジャズピアノと記載した点はさすがです。NYはジャズの聖地の一つですからクラシックよりも親しみを持たれやすく、ホームパーティー開くから弾いてよ、と声もかかりやすい。趣味のよい人間だとアピールできます。コネ作りには効果的ですね」

 論文は、NY州弁護士会が発行する「NY Business Law Journal」に掲載される予定だ。

「同会は、全米50州と世界122カ国にまたがり7万1千人の会員を誇るとアピールしています。米国は、小室さんのような戦略的な人間は歓迎しますから、水があっているのでは」(多賀さん)

 このまま結婚に進むとすれば、宮内庁の「苦言」は障壁になるのか。

「宮内庁長官の発言は、小室さんを責めるというよりも、通常のプロセスを経て結婚してほしい気持ちの表れだと思います」

 そう分析するのは元宮内庁職員の山下晋司氏だ。宮内庁は、「上皇后美智子さまの意向を受け、宮内庁トップが代理人を皇居内に呼び出し、最後通牒を突きつけた」と報じたメディアに事実無根と抗議をした。宮内庁幹部を務めた人物も振り返る。

「眞子さまのご結婚問題について当然、ご心痛はあったと思いますが、我々の前で美智子さまがお気持ちを口にされることはなかった」

 だが、心痛が本人も意図しないところで長官の発言に結びついた可能性もある。山下氏は宮内庁がメディアへ出した抗議のなかで「ご発言は皇室の皆様のご健康についてご無事を問われることだけでした」という記述に注目する。

「秋篠宮殿下のご様子を誕生日会見などで拝見すると、ずいぶんおやせになったように感じました。上皇后陛下は、事態が進展しなければ、ご家族の健康にかかわるとの思いを抱かれたのかもしれません」

 宮内庁としても、秋篠宮さまが結婚を認めると口にした以上は、進展させなければどうにもならない。

 山下氏は、結婚を望むのならば決着をつけなさいという念押しであり、小室さんサイドが責任を果たせば追い風にもなり得ると見る。

 眞子さまは、どのような「実り」への想いを和歌に詠み込んだのか。(本誌・永井貴子)

※週刊朝日  2021年1月22日号