世界中で大旋風を巻き起こしている韓国ボーイズグループBTS。小中学生向けニュース月刊誌「ジュニアエラ」2月号では、その人気の秘密を探った。来月に予定されている、世界最高峰の音楽の祭典グラミー賞の行方にも注目が集まる。

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 韓国のボーイズグループBTSが、今、世界中でブレイクしている。2020年8月にリリースした「Dynamite」は、韓国やアジアを飛び越え、欧米でも大ヒット。“世界の音楽の中心地”アメリカの音楽チャート「ビルボード」でシングルチャート1位を獲得し、ミュージックビデオの動画配信サイトでの再生回数は公開から3カ月で6・7億回を突破した。韓国の国立機関によると、「Dynamite」が誘発する経済的波及効果は、総額1兆7千億ウォン(約1520億円)と推計されるという。11月には、“世界の音楽界で最も権威のある賞”と呼ばれるグラミー賞にノミネート。これは、韓国のアーティストとして初めての快挙だ。

 彼らは13年に韓国でデビュー。世界的に注目を浴び始めたのは17年、アメリカ3大音楽授賞式の一つ「ビルボード・ミュージック・アワード」で、「トップソーシャルアーティスト賞」を受賞したことがきっかけだった。これは、音楽ファンによるSNS投票が大きな鍵を握る賞だ。この賞をはじめ、BTSの躍進には、世界中のARMYと呼ばれるファンたちの熱心な“ソーシャルメディア活動”が一役買っている。ARMYたちがBTSの音楽や動向をSNSでシェアし拡散、それに接した人々が彼らの魅力を知り、新たなARMYとなる。その循環はやがて大きなうねりとなり、BTSはワールドスターにまで上り詰めたのだ。

 BTSの魅力の一つが、メッセージ性の強い歌詞だ。「10代の悩みや葛藤、反抗心」を歌った“学校三部作”、コロナ禍にさいなまれた世界の人々に慰めと希望のメッセージを歌った「Dynamite」、「自分自身を愛することの重要さ」を訴えたアルバム「LOVE YOURSELF」シリーズ……。彼らは、自分たちが今感じていること、自分たちを取り巻く状況、人々に伝えたいメッセージを、自分の言葉で歌詞にする。そんな正直な“自分たちのストーリー”は、世界の人々に共感を生み夢中にさせる。

 BTS色に染まるのは、今や世界だけではない。NASAは、24年に予定されている月探査中に宇宙飛行士が聞くプレイリストに、BTSの楽曲を採用することを公式発表した。地球を超え、宇宙まで。BTSの勢いはとどまるところを知らない。(ライター・酒井美絵子)

※月刊ジュニアエラ 2021年2月号より