個性派俳優・佐藤二朗さんが日々の生活や仕事で感じているジローイズムをお届けします。今回は、酔っぱらってやらかした数々の意味不明のツイートを振り返る。


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 やってしまった。

 ついに俺はやってしまったのだ。

 今まで酔っ払って数々の意味不明なツイートをしてきた俺だが、先日いよいよその最終形態とも言えるツイートをしてしまった。

「つ」

 もう一度書く。

「つ」

 もはや意味不明などという生やさしいものでは済まされない。もはやこれはもう、なんというか、ごめん何も思いつかない。何も思いつかぬほどの、行きつくところまで行ってしまった感溢れるツイートだ。というかこれをツイートと言っていいのかも疑わしくなるツイートだ。

 これを機に、今までの酔っ払い意味不明ツイートを自戒と反省を込めて振り返ってみたい。決して過去のツイートを引用することで字数を稼ごうとしているわけではない。過去のツイートを引用することで字数を稼ごうとしているのだ。

 早速いってみよう。

(1)「佐藤二朗」

 いきなりだ。いきなり自分の名前だ。自分の名前を意味不明ツイートの1つに挙げるのもどうかと思うが、いわゆる誤爆である。今はあまりしなくなったが当時は自分の出演作品の情報解禁を知るため、よくエゴサをしていた。それを誤ってツイッターにあげてしまったのだ。

(2)「うんこ。」

 担当K氏が怒りにうち震えているさまが目に浮かぶようだが事実こうツイートしてしまったのだから仕方ない。ちなみにこのツイートには10万いいねがついている。いかに皆がうんこを欲しているかが分か、やめよう。担当K氏が怒りを通り越し笑い出すのでこれ以上は控える。

(3)「へ〜いへへへ〜いへへへ〜いへへへへへへへへへへへへへへへ〜いへへへ、へへへ〜いへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ〜い、へへへへへへへへへ〜い、明日朝5時起きへへへへへへ〜い」

 意味は分かる。翌日が朝5時起きだったのだろう。だってそう書いてあるから。だが、なぜにそれを言うまでに長いストロークを「へへへ〜い」に費やしてるのかは全く分からないし全く記憶にない。だって酔ってたから。

(4)「へ〜いへへへ〜いへへへ〜いへへへへへへへへへへへへへへへ〜いへへへ、へへへ〜いへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ〜い、へへへへへへへへへ〜い、明日も朝5時起きへへへへへへ〜い」

 もはや何を読まされてるのだろうとお思いだろう。俺も何を書いているのだろうと思っている。だがよく見てほしい。(3)と(4)は同じツイートではない。一文字だけ違う。「明日朝5時起き」と「明日も朝5時起き」。きっとアレだね。要するにアレだね。2日連チャンで朝5時起きだったんだね。担当K氏が怒りと笑いを通り越し歌い出す前に次を最後にしたい。

(5)「うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーうんこっっ」

 歌ってると思う。担当K氏はもはや歌ってると思う。なんか、民謡かなんか。というか、(2)と(5)を並記する意味があったのかという気もするが、(2)のシンプルな直球感もいいが、(5)は助走がある分、疾走感、躍動感があってこれも捨てがたい。うそ。捨ててください。すぐに捨ててください。ちゃんと拭いてから捨ててください。

 もう本当にアレですね。これからは本当にアレです。もう少し、ちゃんとします。

■佐藤二朗(さとう・じろう)/1969年、愛知県生まれ。俳優、脚本家。ドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズの仏役や「幼獣マメシバ」シリーズで芝二郎役など個性的な役で人気を集める。ツイッターの投稿をまとめた著書『のれんをくぐると、佐藤二朗』(山下書店)のほか、96年に旗揚げした演劇ユニット「ちからわざ」では脚本・出演を手がける。原作・脚本・監督の映画「はるヲうるひと」(主演・山田孝之)が6/4(金)全国公開。