大型台風や集中豪雨による水害被害の増加から、マンション高層階であっても「水災補償」は無視できなくなっている。選ぶポイントは何か。AERA 2021年6月7日号は、ファイナンシャルプランナー(FP)の竹下さくらさんに教えてもらった。



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 台風や集中豪雨による洪水、土砂崩れ、落石によって建物や家財が被害にあった場合の補償を「水災補償」といい、火災保険の中に含まれます。マンションの、特に高層階に住居がある場合、水災補償は不要と考え、火災保険から外す人もいるでしょう。しかし、水災補償の重要度は高いと考えています。

 近年、大型台風や集中豪雨による水災の被害が増えています。マンションの高層階でも集中豪雨の際に、ベランダの排水機能が追いつかずに部屋に浸水といったケースも聞いています。

 水災補償で、押さえておきたいポイントは五つあります。

 一つめは、国土交通省や各自治体が公開している「ハザードマップ」で、水災の危険がどれくらいあるかを確認すること。浸水被害が大きいと推定される地域に住んでいる人は、水災補償を付けておいた方が安心です。マンションの裏手に山や崖がある場合は、前述のように高層階でも水災補償が必要です。

 二つめは、何が水災補償になるかを把握しておくこと。「建物の評価額(家財は再調達価額)の30%以上の損害が発生した場合」「床上浸水もしくは地盤面より45センチを超えて浸水した場合」を水災の支払い基準とするところが一般的です。また支払い基準を満たしていても、「ベランダの排水口にゴミや落ち葉が溜まっていた」「植木鉢で排水口が塞がれていた」といった場合は、水災補償を受けられない可能性があります。

 三つめは、どの会社の火災保険に入っているか、確認すること。保険証券はなくしても契約会社にデータがあるのでなんとかなりますが、契約会社の名前を忘れてしまえば、せっかく入った保険が役に立たない可能性があります。

 四つめは、契約内容の確認です。「再調達価額」または「新価」の補償となっているでしょうか? これは、損害が発生した時、保険の対象と同じものを再取得する額で水災補償の保険金がおりるというもの。2000年ごろから主流になったプランで、それまでは「時価」が一般的でした。時価の場合、購入時より低い金額にみなされ、補償金額が低くなります。古い保険で「時価」となっているなら、「再調達価額(新価)」ベースの新しい保険に切り替えることをお勧めします。

 五つめは、万が一水害にあった場合、被害箇所をスマホなどのカメラで撮影し、浸水の証拠を残しておくことです。水災補償では損害保険の調査が必要になるケースがほとんど。写真を残しておいた方が、その後の損害認定がスムーズに進みます。

(構成/ライター・羽根田真智)

※AERA 2021年6月7日号