静岡県熱海市で発生した土石流。7月1日には気象庁が、伊豆諸島北部で線状降水帯による激しい雨が降り続いているとして「顕著な大雨に関する情報」を発表していた。さらに2日から3日にかけて関東地方沿岸部や静岡県東部で大雨が続いたことが土石流を引き起こした可能性もある。



 そもそも線状降水帯とは、次々と積乱雲が発生し、それらが帯状に連なることで長時間にわたって同じ場所に豪雨をもたらす現象だ。2020年7月に熊本・球磨川が氾濫した豪雨も線状降水帯が引き金となった。3日までは太平洋側が大雨の中心だったが、4日は日本海側でも大雨のおそれがあり、引き続き警戒が必要だ。

 たび重なる集中豪雨の発生で、あらためて水災補償に関心が集まっている。豪雨による被害は床上浸水、マイカー水没などさまざまだ。水災時に取るべき行動について専門家に取材したAERA 2019年11月18日号の記事から。

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Q:水災に遭ったときまずすることは?

 現状の撮影だ。被災時に保険金がどのくらい下りるかは、後から自宅を訪問してくれる調査員の判定により決まるが、被災直後から日数が経過するほど状況は変わるからだ。水災の場合、「地盤または床から何センチまで水が来たか」が大事なポイントになるが、豪雨から1週間も経つと水位も激変してしまう。

 命が安全な状態になったら、とにかくスマホやデジカメで浸水箇所を中心にすべて撮ろう。

「被災した箇所をアップで撮るだけでなく、少し離れて、全体がわかる状態でも撮っておくと手続きがスムーズです。同じ角度からの撮影だけでなく、右側と左側からの両方など、可能な限りでかまいませんので記録してください」(損害保険ジャパン日本興亜/保険金サービス企画部の北野貴嗣さん)

Q:マイカーを風水害から守りたいなら?

 車に関しては火災保険ではなく「自動車保険の車両保険(補償)」のテリトリーになる。マイカーを持っている人なら自動車保険の対人補償・対物補償には加入している場合が大半だが、車両に関しては「うちは軽自動車だし、少しくらい傷がついても気にしないし」などと、つけずにいる人も。

「車両保険に入るときは、水災・風災による被害も補償の対象になっているタイプを選びましょう。豪雨による浸水や台風被害はもちろん、洪水、高潮による水害も補償されます」(損害保険ジャパン日本興亜/保険金サービス企画部の北野貴嗣さん)

 地震による車の修理にも備えたい場合は、地震の特約をつけることになる。補償を厚くするほど保険料が上がるのは火災保険と同様だ。車両保険に関しては、自分の生活で車がどれくらい必需品になっているかで加入を決めるといいだろう。

Q:水災による車の被害が補償されるのは?

 火災保険の水災補償、風災補償での建物・家財への補償例と車両保険での車体への補償例は基本的に同じだ。

「暴風により近所の看板や屋根瓦が飛んできて、車のガラスにヒビが入った」「強風で車が横転」「木が倒れて車体に傷がついた」「駐車場が地盤の低いところにあり、水没」「豪雨による土砂崩れに車が巻き込まれた」などは問題なく修理費用に関する保険金が下りる。

 車ならではの事例としては、「強風や豪雨により道路が冠水し、車が立ち往生。エンジン本体に水が入って車が停止した」「ドライブ中に雨が強くなり、命の危険を感じたので山の麓に車を止めたまま運転者は避難。その後、車だけ土砂に埋まった」など。

(経済ジャーナリスト・伊藤忍、編集部・中島晶子)

※AERA 2019年11月18日号より抜粋