漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏が、「競争の番人」(フジテレビ系 月曜21:00〜)をウォッチした。

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 捜査中に犯人を取り逃がす失態をおかした刑事・白熊楓(かえで、杏)の異動先は公正取引委員会、略して「公取委」。東大法学部首席卒業で変わり者の同僚・小勝負(こしょうぶ、坂口健太郎)と共に、不正企業に立ち向かう物語だ。

 公取委で思い浮かぶのは最近話題になった回転ずし「スシロー」の件。

「冬の味覚!豪華かにづくし」キャンペーンと謳いながら、実際はほとんどの店舗でかにを販売してなかった問題ね。

 これは公取委などが調べ、「おとり広告」に該当するとして、措置命令が出されたのだ。大企業の談合から冬の味覚まで、守備範囲広いぞ公取委。

 さらにこのドラマで初めて知った公取委のマスコットキャラ「どっきん」ちゃん(独占禁止法の略か)。「さんまのまんま」のまんまちゃんが志茂田景樹に転生したようなカオスな色合いだ。

 そんなド派手どっきんちゃんに負けず、出演キャストも小池栄子に山本耕史、坂口も加えればこれ、アレじゃないですかね。「大河の味覚! 豪華鎌倉殿づくし」、もしくは「鎌倉殿の番人」。

 初回から大手建設会社の入札談合で立ち入り検査あり、地方都市のホテルでウェディング費用のカルテル問題ありとネタも盛りだくさん。

 ただね、ひとつ気になるのは原作(新川帆立の小説)の作者が、前ドラマ「元彼の遺言状」と同じってとこ。綾瀬はるかに鎌倉殿こと大泉洋を並べて、何ひとつ面白いことがなかったあの「元彼」。

 遺言状のタイトル回収は2話で終わってしまい、ジェットコースターに乗ったつもりがなぜかずっと平坦(へいたん)な道走ってますよ? だった「元彼」。

 思わず今回の公式HPを見れば、「スリリングに、ドラマチックに…知的好奇心を満たす全く新しい作品!」という謳い文句。これ「おとり広告」じゃないですよね?

 そこでこのドラマ、以前やはり公取委がクローズアップされたあの問題を取り上げたらどうか。「退所した元メンバーをテレビ番組に出演させないよう圧力をかけた場合は、独占禁止法にふれる恐れがある」と、公取委がジャニーズ事務所に注意したあの問題。

 元メンバー役で稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾をそのまま出演させたら、本当に公正な取引をしているテレビ局だって、どっきんちゃんも太鼓判を押してくれるはず。

カトリーヌあやこ/漫画家&TVウォッチャー。「週刊ザテレビジョン」でイラストコラム「すちゃらかTV!」を連載中。著書にフィギュアスケートルポ漫画「フィギュアおばかさん」(新書館)など

※週刊朝日  2022年7月29日号