小室圭さんが3度目の司法試験に臨んだ。圭さん、眞子さん夫妻は、なぜ必要以上に注目されるのか。その訳を独自の視点で読み解いた。AERA 2022年8月8日号の記事を紹介する。

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 7月26日、小室圭さんが受けるとみられるニューヨーク州の司法試験が始まった。圭さんにとって3度目となる。こんなことも含め、眞子さんと圭さんの暮らしを、何となく知っている。そういう日本人はたくさんいるはずで、私もその一人だ。

 2人の情報を積極的に追いかけてはいない。が、新聞は購読している。掲載されている雑誌広告を見ると、2人のことが書いてある。試験日が近づき、見出しも派手になった。それを引用しつつまとめると、圭さんは「汚スーツ」で出勤、「厚顔の勝算」を持ち、眞子さんには「皇族ビジネス」の野望があり、「セレブ妊活」中──だ。

 漂う悪意。実際の記事は、見出しより悪意は抑えめだ。が、眞子さんが民間人になって9カ月、2人は相変わらず「あれこれ書いていい人」だ。

 始まりは圭さんの母と元婚約者との金銭トラブルだった。だがこれは解決済みと報じられている。結婚の翌月に元婚約者と圭さんが面会、解決金を受け取るということで合意したという。それでも状況は変わらない。

■女性皇族の結婚相手

 過去、結婚により皇族の身分を離れた内親王及び女王は、小室眞子さんを含め8人いる。その内、昭和天皇第4皇女子 池田厚子(あつこ)さんの夫・隆政(たかまさ)さん、昭和天皇第5皇女子 島津貴子(たかこ)さんの夫・久永(ひさなが)さん、崇仁親王第1女子 近衞やす子(「やす」はうかんむりに心と用)さんの夫・忠輝(ただてる)さんは旧華族の人だ。憲仁親王第2女子 千容子(まさこ)さんの夫・宗室(そうしつ)さんは茶道裏千家の家元、憲仁親王第2女子 千家典子(せんげのりこ)さんの夫・国麿(くにまろ)さんは出雲大社宮司の長男。以上5人はバックグラウンドのわかりやすい人々、と言っていいだろう。

 上皇第1皇女子 黒田清子(さやこ)さんの夫・慶樹(よしき)さんは都庁職員で、初等科から大学まで学習院。秋篠宮さまの親しい友人だったことは広く知られている。憲仁親王第3女子 守谷絢子(もりやあやこ)さんの夫・慧(けい)さんは日本郵船社員。彼のことは、作家の林真理子さんの言葉で紹介したい。

「圭くんといえば、もう一人のケイくんがいるじゃないですか。(略)彼なんかは家柄も学歴も勤め先も申し分なく、理想的なお相手ですよね。昔はああいう方たちが皇族の周りにはたくさんいたんでしょうけど」(「文藝春秋」2021年4月号)

 歴史学者・小田部雄次さんとの対談での言葉だ。「李王家の縁談」という小説の連載終了に合わせたもので、皇族の結婚がメインテーマ。眞子さんと圭さんにも話が及んでの言葉だ。

 守谷さんの父は元通産官僚、母は元NPO法人の理事。慶應大学を卒業し、祖父が役員をしていた日本郵船へ。確かに立派な家柄、学歴、勤め先だ。

 圭さんは国際基督教大学(ICU)を卒業している。偏差値の高い有名大学だ。都市銀行を経て法律事務所のパラリーガルとなり、ニューヨークでも同じ職を得た。が、評価されない。

 金銭トラブル+結婚一時金=反発。その構図ができてしまった。圭さん(と眞子さん)のトラブルへの対処法が共感をよべず「400万円を返さないのに1億円以上を手に入れる人」が圭さんのデフォルトとなった。

 こうなると、「ICU=学習院じゃない」で、「パラリーガル=弁護士じゃない」となる。もろもろ合わせて「皇室にふさわしくない」が常識となった。眞子さんが一時金を辞退した今も、圭さんの「じゃない人」は残ったまま。だから2人はいつまでも「書いていい人」、つまり「叩いてよし」の枠に入っている。

 そして、この「じゃない」は圭さんに限った概念ではなく、時代のキーワードだと思う。そう確信したのは今年1月、あるサイトで岡田晴恵さんの著書『秘闘』を書評したのがきっかけだった。記事へのコメントに「この人は医師じゃないですよね」とあった。

 確かに岡田さんは医学博士号は取得しているが、医師ではない。国立感染症研究所にいたが、今はいない(白鴎大学教授だ)。ある時から彼女が受けたバッシングは「じゃない」から。「じゃない人」は叩いてよし。圭さんと同じ構図と理解した。(コラムニスト・矢部万紀子)

※AERA 2022年8月8日号より抜粋

>>【後編を読む】「じゃない」とバッシングされる皇族 小室さん夫妻はバッシングのループから抜けるため海外を拠点に