活躍の目覚ましい秋篠宮ご一家。注目度が高いだけに、ご一家の一挙手一投足に視線が注がれる。佳子さまの「お引っ越し問題」もその一つだ。宮内庁サイドは、引っ越しのめどについて今年度中としているが、はたして――。
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赤坂御用地にある秋篠宮本邸は、2022年9月30日に改修工事を終えた。プライベートな生活の場である私室部分の荷物も徐々に運び出され、秋篠宮ご夫妻と悠仁さまの生活や公務での活動も、新居に移っているという。
ご一家の引っ越し状況について宮内庁に問い合わせても、
「改修後の御本邸並びに御仮寓所(ごかぐうしょ)の私室部分の具体的な使われ方については、私的な事柄であることから、お答えは控えます」
との返答のみだ。
御仮寓所とは、秋篠宮本邸の改修工事の間に暮らしていた仮の住まい。19年2月から秋篠宮ご一家が使われていた。
しかし、依然として佳子さまの引っ越しは終わっていないと見られている。
この改修工事自体、秋篠宮さまは、国民への負担を思い、長年断り続けた末の工事だった。築50年となる旧秩父宮邸を利用した秋篠宮邸(00年に増築)は老朽化が進んでいた。眞子さんと佳子さま、悠仁さまも成長し、住居部分も手狭になった。見かねた宮内庁が増築を伴う改修を打診しても秋篠宮さまは、
「やめておきましょう」
と断り続けてきたのだ。
しかし、ここにきて佳子さまの「引っ越し問題」が注目を集めてしまった。
騒ぎが大きくなった背景には、宮内庁側の説明に一貫性がないこと。そして、秋篠宮家から、きちんとした説明がないことだ。
秋篠宮邸が改修工事に入ると宮内庁が発表したのは、19年2月のこと。その際は、本邸の改修工事が終わった後に、仮住まいの御仮寓所が私室部分にも使用されるとは、ひと言も触れていない。各紙の報道にも、
「ご一家が宮邸に戻った後は、事務所と収蔵庫として使用される」
と、しっかりと記載されている。
宮内庁サイドが御仮寓所を「私室としても使う」と漏らしたのは、改修工事を終えた22年秋の報道陣への公開時だった。「御仮寓所を分室とし、私室も残る」と説明したのだ。
その後、秋篠宮ご夫妻と悠仁さまが改修を終えた秋篠宮邸で生活を始めても、佳子さまの御仮寓所での“分室暮らし”は続いていると見られる。
宮内庁も秋篠宮家も私生活であることを理由に、一切の説明をしない。しかし、めどといわれている「今年度中」があとわずかになっても、佳子さまが「引っ越しを終えた」という話は、いまだ聞こえてこない。
人間がひとり、別の建物で生活を続ければ、食事の世話に始まり、衣類の洗濯、部屋にとどまらずお風呂やトイレなど使用部分の掃除を行う人手も必要になる。食事を新宮邸で作っていたとしても、「分室」に運ぶ手間も必要だ。
秋篠宮さまが、「国民の負担になる」と改修工事を断り続けたのは、その費用も源流は税金だと認識しているからに他ならない。
元宮内庁職員で皇室解説者の山下晋司さんは、こう話す。
「御仮寓所を佳子内親王殿下が引き続き使わなければいけないなら、当初の方針と違うわけですから、その理由をきちんと説明すべきです。社会情勢を鑑みるなどして、これまで改修をしてこなかったというのはご立派ですが、様々な方針変更に関しては、その理由がわかりません。これでは、臆測が生まれるのも当然で、国民の不信感も募ることになります」
皇族方のプライベートは、もちろん守られるべきだ。私生活に制約をかけられ、人生の多くを「公」に捧げてきた方々だ。生活のすべての原資が「税金である」などと追い詰めるべきではない。
しかし、説明のある部分とない部分の境界があいまいであれば、当惑が生じてしまう。山下さんは、こうも言う。
「秋篠宮同妃両殿下や長女の眞子さん、佳子内親王殿下は、平成の時代から多くの公務を担い、天皇を支えてこられました。このようなことで、臆測に基づいた批判が出てくるのは残念です。公私に関わらず、秋篠宮家にとって必要なら、宮内庁は国民に対してきちんと説明し、ご一家には宮邸の施設を堂々と使っていただきたい。批判を恐れて説明をしないと臆測を呼び、また批判に繋がるという悪循環になります」
(AERA dot.編集部・永井貴子)