
ジャニーズ事務所が10月2日の記者会見で、社名を「SMILE−UP.(スマイルアップ)」に変えることを公表した。これに思わぬ“余波”を受けた会社が山梨県にあった。会社はブログに「緊急告知」を掲載。何が起きた?
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「社名が発表されたときはびっくりしました」
こう話すのは、山梨県の不動産会社「住マイルアップLLC.」の渡邉聖(きよし)代表だ。同社のホームページのドメインは「smile−up.co.jp」。
そう、旧ジャニーズ事務所の新社名「SMILE−UP.」と同一だったのだ。
渡邉代表はこう振り返る。
「車の移動中に会見を見ていたんですが、思わず声をあげて驚いてしまいました。商標登録はしていませんが、smileとupの間にハイフンを入れるのは、18年にこの会社をつくったときの私の造語です。補償について間違ってこちらに連絡があっても困るなと思いまして、当社のブログでその旨をすぐにお知らせしておきました」
住マイルアップLLC.のブログでは「緊急告知」と題して、記事が投稿されている。投稿日時は10月2日15時46分で、記者会見がまだ続いている時間だ。
記事では〈当社は2018年4月創業の不動産業者〉、〈社名、メールアドレスは創業時にすべて当社代表が創作したもの〉〈本日発表された新社名「スマイルアップ」とは何ら関係が無いことを告知いたします〉などと説明した。


新社名公表後に間違い電話やメールなどはきていないのだろうか。現状について渡邉代表はこういう。
「いまのところ間違って電話やメールがくることはないですね。旧ジャニーズ事務所の新ドメインがメールアドレスにはならないと思いますし、補償が終われば廃業するということなので、業務に支障が出るようなことはないのかなと思っています」
旧ジャニーズ事務所側からは事前にアプローチはなかったのだろうか。また、「ドメインを譲ってくれ」などと言われたら?
尋ねてみると、
「事前に先方からアプローチはなかったですよ。『譲ってほしい』と言われたらどうしましょうかね。すでに業務でかなり使っているので、手放すとなると大変ですから悩みます」
渡邉代表はそう言いつつ、
「ただ、先方から『どうしても』とお願いされるようなことがあれば、譲ってもいいのかなと思います(笑)」
と寛容な対応を見せる。
さて、「スマイルアップ」はどうする?
(AERA dot.編集部・吉崎洋夫)