青山学院に進学する折田壮太

 出雲、全日本を駒澤大、箱根を青山学院大が制して幕を閉じた2023年度の大学駅伝シーズン。すでに2024年度の新チームがスタートしている中、今春には卒業する4年生に代わって楽しみな1年生たちが加わることになる。その中に“新たなスター候補”はいるのか。新入生の期待度が高いチームはどこなのか。

 最も有力な選手が集まったのが、箱根王者の青山学院大だ。その筆頭が、5000mで高校歴代2位の13分28秒78のタイムを持つ折田壮太 (須磨学園高)だ。昨年度のインターハイで日本人トップ(5位)、国体少年A優勝を果たし、12月の全国高校駅伝では1区で区間賞の走りを披露した世代ナンバーワンランナー。トラック、ロードともに揺るぎない勝負強さを持っており、原晋監督も「世界で戦える逸材」とゾッコンの模様。今後の“青学メソッド”でのさらなる成長で、早い時期から新エースとしての駅伝出走が期待される。

 さらに青山学院大には、5000mで世代日本人2位、高校歴代4位の13分34秒20の飯田翔大(出水中央高)、さらに佐々木大輝(花咲徳栄高)、佐藤愛斗(小林高)、遠藤大成(佐久長聖高)、小河原陽琉(八千代松陰高)と5000mの自己ベスト13分台が計6人も入学。そして今春の箱根で2区区間賞の走りを見せた黒田朝日(2年)の弟・黒田然(玉野光南高)も楽しみなランナーだ。昨年のインターハイでは、3000m障害で高校歴代4位の8分40秒71を記録して2位。今年1月の都道府県対抗駅伝でも力走を披露した。新入生の期待度は文句なしで青山学院大がトップで、再び“最強世代”誕生の予感も漂う。

 一方の駒澤大はどうか。昨春に卒業した田澤廉(トヨタ自動車)、今春卒業の鈴木芽吹(4年)に続いて、新主将の篠原倖太朗(3年)、そして佐藤圭汰(2年)と各学年に世代トップのエースが続いた中、今年は谷中晴(帝京安積高)、桑田駿介(倉敷高)、菅谷希弥(駒大高)らが入学する。

 5000mの自己ベストは谷中の14分00秒33がトップで13秒台は不在と、青山学院大の新入生たちと比べると小粒感は否めない。しかし、今年2月18日に行われた青梅マラソンでは、菅谷が男子10km高校生の部を30分01秒の大会新記録で優勝。身長188cmの大型ランナーとして今後の成長が非常に楽しみだ。

 この“2強”以外では、今春の箱根でまさかの17位に沈んだ順天堂大の期待感が高い。昨年12月の全国高校駅伝優勝校の主将兼エースの永原颯磨(佐久長聖高)が入学。5000mの自己ベストで世代日本人4位の13分43秒03のタイムを持つだけでなく、3000m障害では三浦龍司(4年)が持っていた高校記録を塗り替えた。三浦とは入れ替わりになるが、順天堂大には高校の1学年先輩で5000m高校記録保持者の吉岡大翔(1年)がおり、チームとしても非常に楽しみだ。さらに、5000m13分52秒29のタイムを持ち、今年1月の都道府県対抗駅伝1区で区間新を叩き出した川原琉人(五島南高)も入学。離島出身で高校の陸上部員5人という環境ながら世代トップレベルの実力を見せた“メガネのランナー”には大きな伸びしろを感じる。玉目陸(出水中央高)、池間凛斗(小林高)と5000m13分台は計4人。新入生の期待度は、青山学院大に次ぐ2番目だと言える。

 その他、早稲田大には全国高校駅伝優勝メンバーであり、5000mで世代日本人3位の13分52秒73のタイムを持つ山口竣平(佐久長聖高)が入部する。こちらも今年1月の都道府県対抗駅伝では5区で区間賞の走りを披露。高校時代の経験値は高く、大学1年目から活躍できる力を持っている。早稲田大には、1年時の全国高校駅伝で5区区間賞の瀬間元輔(東農大二高)、3000mで好成績を収めている佐藤広人(早大本庄高)も入学するが、どこまでチーム力をアップできるか。もう1人、2人は有力な新入生が欲しいところではある。

 そう考えると、中央大の新入生が充実している。七枝直(関大北陽高)、岡田開成(洛南高)の2人の5000m13分台ランナー加え、三浦彰太(須磨学園高)、原田望睦(東農大二高)、田中伶央(笛吹高)、並川颯太(洛南高)、田原琥太郎(西条農業高)と5000m14分10秒台以内の自己ベストを持つ好ランナーたちがズラリ。新入生の選手層の厚さが非常に目立ち、彼らが切磋琢磨しながらタイムを伸ばせば、今春の箱根で優勝候補に挙げられながらも体調不良者続出で13位に終わった悔しさを晴らすための大きな戦力になれるはずだ。

 もちろん、いくらトップレベルの高校生であろうとも、いきなり大学1年目から大活躍できるほど甘いものではない。だが、新入生たちには4年間の“青春”と“未来”がある。彼らの成長によって、大学駅伝の勢力図がどう移り変わるのか。そしてどんなドラマが生まれるのか。多くのファンが新スターの誕生を期待している。