伊勢神宮外宮を参拝した天皇、皇后両陛下の長女愛子さま=2024年3月26日、朝日新聞社

 天皇皇后両陛下の長女・愛子さまは26日、三重県の伊勢神宮を参拝された。単身での地方訪問は初めてとなる。愛子さまは真っ白なロングドレス姿と帽子姿で、外宮、内宮の順に参拝。強い風が吹く中、集まった人々に笑顔で穏やかな笑顔で会釈しながら参道を進まれた。このタイミングでの愛子さまの“単独参拝”の意味になどついて、皇室ジャーナリストの神田秀一氏に聞いた。

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 愛子さまが伊勢神宮を参拝されるのは、天皇皇后両陛下と2014年7月に参拝して以来、10年ぶりとなる。このタイミングでの単独参拝になったことについて、皇室ジャーナリストの神田秀一氏はこう話す。

「伊勢神宮は皇室の祖先とされる天照大神(あまてらすおおみのかみ)がまつられていますから、人生の節目に参拝するのが皇室の慣習となっています。愛子さまは3月に学習院大学をご卒業されるので、それをご先祖に報告するための参拝だと思われます。10年ぶりの参拝でしたが、振る舞いもとても立派に成長されていました」

 愛子さまは3月に学習院大学を卒業し、4月1日から日本赤十字社に嘱託職員として勤務することになっている。まさに節目の年だろう。

「皇室は即位、ご結婚、退位など特別な節目の出来事があると伊勢神宮に参拝してきました。天皇皇后両陛下、秋篠宮ご夫妻、佳子さま、小室眞子さん、悠仁さまも皆、伊勢神宮に参拝されています」

 27日は、かつて天皇に代わって伊勢神宮に仕えた皇女・斎王にまつわる施設「斎宮歴史博物館」と「いつきのみや歴史体験館」(いずれも三重県明和町)を訪問。午後からは奈良県橿原市の「神武天皇山陵」を参拝する予定だ。

伊勢神宮外宮の参拝に向かう愛子さま。たおやかな笑みをうかべられている=2024年3月26日、朝日新聞社

■卒論テーマとの“共通点”

 愛子さまの学習院大学の卒論は「式子(しょくし)内親王とその和歌の研究」。式子内親王は中世を代表する女流歌人の1人で、百人一首の中にも歌が登場する。愛子さまは中世の文学作品に関心が高いとされて、今回の訪問は、学業での関心事と重なる部分もあるのかもしれない。

「京都、奈良にはさまざまな天皇陵があり、皇室の歴史も長いですから、当然、愛子さまが興味を持たれて行きたいところも多いと思います。卒論のテーマとも関係のある場所が見つかるでしょう。しかし、時間は限られているので、優先順位をつけて、施設を見て回られるのだと思います」

 愛子さまは3月20日、学習院大学の卒業式に出席した。当日は午前9ごろに大学に到着し、皇居に戻ったのは午後7時ごろ。大学時代の仲間と別れを惜しみ、話がはずんだのか、長い時間を学友と過ごされた。最近の愛子さまについて、神田氏はこう語る。

「卒業式の日に会見で話された内容を聞いても、とても勉強されているし、適切な言葉も選んでお話されていました。すっかり大人になり、立派になられ、華もあると思います。天皇皇后両陛下も、とても大切に教育をされており、外部の学識経験者を皇居に呼んで勉強をする機会などもあるはずです。皇族としての教養がどんどん身についていると思います」

伊勢神宮外宮を参拝した愛子さま=2024年3月26日、朝日新聞社

 そして、こう続ける。

「個人的な見解を申し上げれば、愛子さまは天皇皇后両陛下にとってたった一人のお子さまですし、女性天皇として継がせたいという思いはおありなのではと推察します。歴史上、女性が天皇になった例は決して少なくありません。現在は男性皇族が非常に少なく、今の制度では、今後も女性皇族はみんな外に出て民間人になってしまいます。皇室典範の改正問題はありますが、現内閣も皇位継承についてもっと真剣に考えるべきです」

 愛子さまにとって「節目の年」となる2024年、国民の皇室への関心もより高まりそうだ。

(AERA dot.編集部・上田耕司)