悲願のマスターズ制覇を成し遂げたばかりのマキロイ、全米プロゴルフ選手権でどのようなプレーを見せてくれるのか(写真:ロイター/アフロ)

 男子ゴルフの海外メジャー今季第2戦、全米プロゴルフ選手権が、現地時間15日から米ノースカロライナ州シャーロットにあるクエイルホロークラブで開催される。

 同大会は、2017年もクエイルホロークラブを舞台としているが、この名門コースは7,626ヤード、パー71という距離もさることながら、やはり「グリーンマイル」と呼ばれる上がり3ホールが有名。グリーンの奥と左サイドに池がある16番、グリーン右サイド以外は池になっている17番パー3、そして左にクリーク、右にバンカーと木々が並ぶ最終18番が、難攻不落の最終関門として待ち受けている。

 その2017年大会は、松山英樹が2日目を終えてトップタイに立ち、初のメジャー制覇への期待を抱かせた。決勝ラウンドになってスコアを伸ばせず、結果トップと3打差の5位タイとなり、悔し涙を流したことが記憶に残る。勝ったのはジャスティン・トーマス(米)。最終日を3アンダー68でまとめ、混戦を制し、初のメジャータイトルを獲得した。

 今大会の注目はやはり日本勢の活躍だろう。中でも期待がかかるのはメジャー2勝目を狙う松山だ。

 今季の松山は、開幕戦のザ・セントリーからいきなり快挙を達成。初日を8アンダー65とし1打差2位タイで出ると、2日目も同スコアで首位に。3日目は11アンダー62と猛チャージを見せトップを守ると、最終日もこの勢いは衰えず、8アンダー65とさらにリードを広げて通算35アンダーで優勝した。通算35アンダーというスコアは、2022年大会の通算34アンダー(キャメロン・スミス)を更新する72ホール最多アンダーパーのツアー新記録だった。

 その後の松山は、ソニーオープン16位タイ、ザ・ジェネシス招待13位タイ、アーノルド・パーマー招待22位タイと、安定したプレーを継続。ザ・プレーヤーズ選手権とバレロテキサスオープンで予選落ちしたが、マスターズで21位タイ、直前のトゥルーイスト選手権は17位タイとまずまずの成績を残している。

 特にトゥルーイストでは、3日目に7アンダー63という好スコアを叩き出し単独5位に浮上。フェアウェイキープ率が57.14%で31位タイ、ストロークス・ゲインド・オブ・ザ・ティが-2.48で64位とティーショットに課題は残るが、今大会直前に優勝を狙える位置につけたということは、メジャー制覇への好材料と言える。

 松山の全米プロゴルフ選手権最高順位は2016年大会の4位。そして上述したように2017年には開催地となるクエイルホロークラブで5位タイと好成績を収めており相性は良い。果たして松山は、イメージの良いコースでどんなプレーを見せてくれるのだろうか。

 日本勢は、松山の他、久常涼、金谷拓実、中島啓太が出場予定となっている。

 今季の久常は、メキシコオープン at ヴィダンタワールドで10位タイになると、3月のバルスパー選手権で4位タイと健闘。さらに4月のバレロテキサスオープンでは5位タイとなり、着実に成長を遂げている。ツアー2年目も中盤になっており、この辺りで上位に入り、米国のゴルフファンにもその名をアピールしておきたいところだ。

 昨季国内賞金王となった金谷も、このあたりで快進撃を期待したい。初のフル参戦となっている今季はここまで12戦中7戦で予選落ち。ザ・CJカップ バイロン・ネルソンで5位タイとなったが、世界最高峰ツアーの高い壁にぶち当たっている。平均飛距離177位など、スタッツを見ると特に飛ばし絡みのスタッツで下位にいることが成績に反映されている状況。この大舞台では、ショットとパッティングの精度が求められるだけに、持ち前の正確性を武器に奮闘して欲しい。

 今季はDPワールドツアーを主戦場にしている中島は、これが今季米国での初プレーとなる。同ツアーでは、ポルシェ・シンガポール・クラシックで単独2位、大会連覇を狙ったヒーロー・インディアン・オープンでも単独2位となった。昨年が初出場となった全米プロは予選落ちに終わったが、海外でさらなる成長を見せる今季は、その悔しさを晴らす上位進出を目指したい。

 もちろん、海外の強豪たちにも注目だ。

 特に4月に悲願のマスターズ制覇を成し遂げたロリー・マキロイ(北アイルランド)はその筆頭と言える。今季はこのマスターズだけでなく、AT&Tペブルビーチプロアマ、ザ・プレーヤーズ選手権でも優勝。直前のトゥルーイスト選手権も7位タイとマスターズの勢いをキープしている。

 そして特筆すべきはマキロイのクエイルホローでの戦績だ。このコースはウェルズファーゴ選手権の開催地として知られるが、マキロイはここで行われた2010年のクエイルホロー選手権で米ツアー初優勝を飾ると、ウェルズファーゴ選手権となった15年と21年、そして昨年も勝っており、なんと4度優勝。抜群の相性を誇っている。

 さらにクエイルホローでは、2015年に3日目に61を叩き出し、2010年には最終日に62をマーク。今季はキャリアグランドスラムを達成して乗り込んでくるだけに、優勝の最有力候補として歴史に残るプレーを見せてくれそうだ。

 また、スコッティ・シェフラー(米)、2017年大会王者のトーマス(米)、ディフェンディング・チャンピオンのザンダー・シャウフェレ(米)も優勝候補。シェフラーはザ・CJカップ バイロン・ネルソンを2位に8打差をつける通算31アンダーで制しており、メジャー優勝に向け順調な仕上がりぶりを見せていれば、トーマスは、RBCヘリテイジで約3年ぶりに勝利し復活した。メジャー2勝は全て全米プロとなっており、こちらも大会3勝目に向け視界良好と言えるだろう。

 さらに今大会では、ブライソン・デシャンボー(米)、ジョン・ラーム(スペイン)も見逃せない存在だ。マスターズでは優勝を逃したが、この2人は米国メディアのパワーランキングや優勝オッズでも上位にいる。ともに飛ばし屋で、これは距離の長いクエイルホローでは大きな武器となるはず。LIVゴルフ勢が今大会でどんなプレーを見せるのかも興味深い。

 世界のトップたちが集う今季海外メジャー第2戦は、例年以上に目が離せない4日間となるだろう。