菅義偉官房長官(神奈川2区)の地元である横浜市長選(7月30日投開票)。都議選に続き、もう1枚のレッドカードが安倍政権に突きつけられるのか、注目される。

 3期目を目指す自公推薦の林文子市長(71)は“菅直系”として有名で、カジノを含むIR(統合型リゾート)推進で足並みをそろえてきた。カジノ法案審議が山場を迎えた昨年12月には、推進派国会議員主催の緊急集会に林市長の代理の副市長が出席。「IR整備は観光立国実現に重要」と絶賛し、誘致自治体として法案成立を後押しした。

 林氏の3選を阻止すべく立候補した新人候補は前民進党横浜市議の伊藤大貴氏(39)、無所属で元衆院議員の長島一由氏(50)。共にカジノ反対を明言していることから、カジノ誘致の是非が最大の争点になっているのだ。

 都議選と同様、加計問題への怒りが自民党推薦の林氏への逆風となる可能性も出てきた。伊藤氏擁立に動いた江田憲司・民進党代表代行(神奈川8区)は7月8日のタウンミーティングで、加計問題とカジノを次のように重ね合わせた。

「『岩盤(規制)にドリルで穴を開ける』と言って加計に落ちるように開けた。カジノ法案の強行採決でも、安倍官邸と維新が連携してドリルの穴を横浜と大阪にだけ開けようとしているのではないか」

 ただし林氏は現職の強みに加え、自公と連合神奈川の推薦を受け、盤石の体制のように見える。しかし「全国カジノ賭博場設置反対連絡協議会」代表の新里宏二弁護士は、番狂わせの可能性を示唆する。

「2015年4月の小樽市長選では『カジノはいらない』と訴えた森井秀明・元市議が、自民・公明・民主(当時)・連合小樽・小樽商工会議所が支援したカジノ推進派の中松義治市長を破ったのです。それほどカジノ誘致反対の民意は、根強いものがある」

 原発再稼働に慎重な米山隆一知事が逆転勝利した昨年10月の新潟県知事選と同様、番狂わせは起きるのか……。

 カジノ反対の民意を感じ取ったためか、林氏は今年に入ると、「全くの白紙」と“変節”した。共産党は伊藤氏を自主的に支援。実質的な野党統一候補を市民団体が支援、自公と連合支援の候補を追いかけるパターンも新潟県知事選とうり二つだ。横浜市長選の結果が注目される。(ジャーナリスト・横田一)

※週刊朝日  2017年7月28日号