作家の室井佑月氏はSNSの炎上で生産中止にさせてしまった「日の丸マスク」について説明する。



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 ネットいじめされてます。事の発端はあたしのTwitterであることは間違いないです。2月23日に毎日新聞社のニュース「新型肺炎 医療用マスク、自治体・病院に優先供給 厚労省」という記事に日の丸のついた立派なマスクの写真がついていました。当時は新型コロナウイルスの感染が拡大し、マスクがどこにも売っていない状況でした。

 それを見て政府に腹を立てた人がいて、その写真を貼り付けて政府を批判していました。あたしはその方の意見は納得できるものだと感じ、2月24日にその方の発言をリツイートし、「些細なことだけど、こういうこと一つとっても、今の政府のやってることって、ごっこ遊びにしか見えない」「これを作るのに、コストどのくらいあがったんだろう」とツイートしました。

 でも、あとから写真のマスクは政府が作らせようとしていたマスクとは関係なく、イメージ写真として掲載されていたものだったと知り、「マスクの日の丸の記事、あたしもあたしの発言を訂正します。迷惑をかけてしまった方、すみませんでした。でも、今の政府のごっこ遊びっぽさは他所でも感じます」とツイートしました。

 問題ツイートが2月24日13時30分、訂正が18時10分です。誤解を招くということで毎日新聞の記事のマスクの写真も、2月25日の11時13分には変えられました。

 その3カ月後、5月29日のネットニュースで、マスク会社の社長さんが5月27日に、「弊社で作っていた日の丸マスクが政府批判のネタにちょうどよかったのか、ボロクソ言われました」とツイートしていたことがわかりました。

 あたしは自分の名前の出ているネットニュースでそのことを知ったのですが、あたしの発言もありマスク会社が誹謗(ひぼう)中傷を受けてしまったのだとしたら、悪いことをしてしまったと思いました。ネットの記事には社長さんが5月28日に、「(日の丸マスク)大変人気でしたが議論のネタにされるのは本望ではないので、しばらく製造休止しています」とツイートしていることも書かれていました。

 あたしはおわび状を書くことにしました。言葉を選びながら書いたので、1週間くらいかかりました。その間に「#室井佑月のテレビ出演に抗議します」というハッシュタグが作られ、トレンド入りするくらいになりました。Twitterには、あたしに対する批判の声があふれました。謝れ、と。あたしは謝りたいです。

 でも、あたしが謝りたい相手は、彼らではない。そして、マスク会社の社長さんは議論のネタにされるのは本望ではない、といっています。あたしがなにかを話せば、再度SNS上に会社の名前があがってしまう。

 そして、6月5日のネットニュースに「“マスク騒動”で大炎上!『ひるおび』出演の室井佑月に『まず謝罪したら?』」という記事が載りました。なにがなんでもあたしをたたいていたいのだな、という内容でした。(つづく)

※週刊朝日  2020年6月26日号