作家・室井佑月氏が、衆院選の総括と当事者から見た選挙を論じる。

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 衆議院選挙が終わった。あたしはパートナーが出馬したので、張り付いて応援していた。選挙が終わると、その結果を受けコラムを書くのは通例であるが、今回はちょっと違う。中から見た選挙についても語る。

 権力の私物化、税金の横流し、格差拡大、コロナ無策、デタラメな原発推進……。選挙前、国会であたしたちへ説明しようとしない、自民党の横暴さが露呈していた。メディアの書き方からしても、最終的になんとか野党共闘に持ち込めた野党側は有利だといわれていた。

 立憲民主党の枝野幸男代表も、「今回は政権選択選挙だ」といっていた。でも、相手は強い自民。そんなメッセージで大丈夫か、とあたしは感じていた。それでも最大野党は立憲だ。野党が勝つには立憲が多くの人から愛されなきゃならない。けど、そうなるよう立憲は振る舞っただろうか。

 共産党との共闘はいまだに渋々に見え、党首討論で与党や維新から共産党が責められていても、枝野さんはかばうことなく他人事のような態度だった。選挙戦が始まってるというのに、市民団体のイベントで枝野さんは、共産の志位さんと写真を撮るのを拒んだ。

 東京8区ではれいわ新選組の山本太郎さんが立つかどうかの問題があった。太郎さんは枝野さんと何度も話し合っていたという。ならば、そのゴタツキは立憲側の責任である。そして、矛の収め方が最悪だ。枝野さんは太郎ちゃん一人が悪者になるような言い方をした。共闘をする一党の党首に対し、それはない。

 野党のほかの党に応援を要請しながら、他党に対し全くリスペクトがない。彼らの態度が多くの人たちにどう映ったか、いうまでもないだろう。

 作家の平野啓一郎さんが11月1日にツイッターで、「今も野党共闘は応援してるけど、代表の『姿』にはずっとフラストレーションがある。野党共闘にせよ、自分が立憲に協力しても、感謝もされなければ、大事にもしてもらえないんじゃないかと感じる。内実はともかくそう見える」と書いていて、頷(うなず)いた。

 あたしのパートナーは野党統一候補として無所属で立った。去年から立憲県連を通し、推薦願を出していた。あたしも微力ではあるが、その旨を受け、立憲のほかの候補のために動いた。

 が、選挙の直前に執行部の判断が間に合わないと、県連推薦とされた。間に立っている県連の人たちが気の毒だった。

 立憲は新しい組織だから、地方に根を張ってない。だから、野党共闘をしっかりし、社民党や共産に協力をもらわないと勝てない。それを中央はわかってない。また迷走し、共産のせいにするのか。だったらもうついていけない。

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

※週刊朝日  2021年11月19日号