プロ野球は17日からペナントレース後半戦がスタート。激しい首位打者争いに連続完封劇……。2強による激しい首位争いが展開されたパ・リーグ前半戦の中で、最も働いた選手“前半戦MVP”を「WHIP」(投手が1投球回あたり何人の走者を出したかを表す数値)、「OPS」(出塁率と長打率とを足して求められる打撃指数)の項目に重点を置いて選出した。



【パ・リーグ投手部門】
美馬学(楽天)

 多くの候補者の名前が挙がるパ・リーグ投手部門だが、その中でプロ7年目の30歳右腕を推したい。

 代役の代役ながら自身初の開幕投手を務めた今季は、その後も先発投手として安定した投球を披露。登板2戦目の4月8日のロッテ戦(ZOZOマリン)で今季初白星を挙げると、同22日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)では9回2失点の完投勝利。5月20日のロッテ戦(ZOZOマリン)では自身に白星は付かなかったが9回3安打無失点で10奪三振の快投を演じた。6月の交流戦でも3試合に先発して2勝0敗、防御率1.23と好投。前半戦15試合に先発して7勝2敗、防御率2.46の好成績を残した。

 勝ち星はリーグ4位タイで防御率はリーグ3位と“上には上”がいるが、「1イニング当たり何人の走者を出すか」を数値化したWHIPの項目では、菊池雄星(西武)の0.931を上回るリーグ1位のWHIP0.928をマークしている。菊池も前半戦で15試合8勝4敗、防御率2.03とMVPにふさわしいピッチングを披露したが、このWHIPに加えてチーム順位も考慮して、ひと皮むけた投球を続けている男を前半戦MVPとしたい。

【パ・リーグ打者部門】
柳田悠岐(ソフトバンク)

 投打別にセ・パ両リーグで選出した前半戦MVPだが、その中で最も“文句なし”だったのが、オールスターのホームランダービーでも2日連続キングに輝いた、この男である。

 トリプルスリーを達成した15年からケガに苦しんだ16年を経て迎えたプロ7年目。開幕直後はややおとなしかったが、5月後半から一気にエンジン点火。6月に入ってさらにアクセルを踏み込み、6月1日から9日の8試合で7本塁打の大暴れ。6月23日の西武戦(ヤフオクドーム)ではレフト、ライト、そしてセンターへ3打席連続アーチをぶちかました。7月に入っても勢いは衰えずに7月5日から3試合連続本塁打。前半戦を終えて、打率.327、23本塁打、75打点と傑出した数字を残した。

 打率、本塁打、打点はすべてリーグトップで、出塁率と長打率を足して求められる打撃指数OPSは、驚異の1.083を誇った。負傷離脱者も多く、決して万全でなかったソフトバンクが、首位・楽天と1.5ゲーム差の“射程圏”で前半戦を終えることができたのは、柳田のフルスイングがあってこそ。04年の松中信彦(ダイエー)以来、史上8人目(12度目)の三冠王への期待を高め、前半戦12盗塁だった“足”をさらに活かせば、自身2度目のトリプルスリーも視界に捉える。「2017年=柳田」のシーズンとなる可能性は十分にある。