プロゴルファー・丸山茂樹氏が「飛ばし屋」チャン・キムについて「脅威」と話す。

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北の大地から戻ってきました。「長嶋茂雄招待セガサミーカップゴルフトーナメント」(7月6〜9日、北海道・ザ・ノースカントリーGC)でテレビ解説をさせてもらったんですが、逆転優勝した27歳のチャン・キム(米国)の飛距離はワールドクラスですね。相当なポテンシャルを感じざるを得ないです。

 身長188センチ、体重105キロの体で、今大会の平均飛距離は319.88ヤードでトップでした。海外メジャー初出場だった6月の「全米オープン」は予選落ちでしたけど、初日の平均飛距離は全体の2位でしたからね。彼の関係者から聞くと、最近はアイアンの距離感を合わせるのが上手になってきた、と。

 日本ツアーに参加するようになった当初はアイアンの縦の距離が合わなくて苦労してたのが、ここ最近アジャストが利くようになって、ドライバーの飛距離が生かされるようになってきたみたいです。そうなると、本当に恐ろしい選手になるでしょうね。いま日本のレギュラーツアーに出てる中で、彼を飛び越す選手はなかなかいない。相当の武器を持って立ち向かわないと、やっつけるのは難しい状況になりました。

 池田勇太(31)は単独トップで3日目を迎えたんですけど、土日でスコアを四つしか伸ばせず、4位でした。それでも、たいしたもんだと思いましたよ。アメリカで4試合に出て、日本に帰ってきてすんなりとプレーできたのは実力があるからこそ。北海道で西洋芝にしっかり対応してるのを見せられると、アメリカでもうちょっといいプレーができるんじゃないかと思っちゃうんですよね。何が足りないのかは、彼自身が一番わかってるでしょう。ほんの一つのスイッチだと思うんです。そこを「ON」にできれば、海外に出ても十分に太刀打ちできるはずです。

 今回も監督(長嶋茂雄さん)とお話しして、記念撮影をさせていただきました。オーラの強さは相変わらずです。それぞれの世界でスーパースターと呼ばれる方はいろんな注目を浴びてきてますから、まあ堂々とされてるんです。だから、こちらからすれば、オーラをより強く感じるんでしょうねえ。

 さて、欧州ツアーの「アイルランド・オープン」(7月6〜9日、英国ポートスチュワートのポートスチュワートGC)です。谷原秀人(38)が10位、松山英樹(25)が14位でした。最終日、トップに2打差の4位で出た谷原には日本選手3人目の欧州ツアー制覇の期待がかかりましたが、スコアを伸ばせませんでした。雨の中で遅くなったグリーンへの対応が難しかったみたいですね。それでも谷原も英樹も、「全英オープン」(7月20〜23日、英国中西部サウスポートのロイヤルバークデールGC)へ向け、同じ時間に同じ気候のところでゴルフをしたのは大きいです。

 雨の中でレインウェアを着てのプレーは、日本の選手は慣れてますけど、米PGAツアーしか経験してない選手は不慣れなんです。アメリカで雨が降るときは、だいたい猛烈に降って試合が中断になりますから。全英オープンで弱い雨が降り続けると、得意な人と苦手な人がくっきり分かれるでしょうね。

※週刊朝日 2017年7月28日号