日本男子初の海外メジャー制覇が期待される松山英樹が、現地時間7月20日から英国ロイヤル・バークデイルGCで開幕する今季メジャー第3戦の全英オープンに出場し、日本ゴルフ界の悲願に向けティーオフする。

 例年、海外メジャーの中では日本人選手の出場が一番多いこの大会だが、今年は松山のほかに、谷原秀人、池田勇太、宮里優作の4人のみがプレーする。現在、世界ランク50位の谷原は、海外の大会を転戦し欧州ツアーのBMW PGA選手権で3位タイとなったほか、先日のアイルランドオープンでは10位タイとなり、同ツアーのポイントレース、レース・トゥ・ドバイで10位となった。そして、池田は海外チャレンジが盛んで、宮里も国内ツアー賞金ランクでトップと、今年の日本勢は少数精鋭でメジャーに挑むことになる。

 中でも一番の注目はやはり松山だろう。全米オープン後の松山は、日本に一時帰国すると、その後は欧州ツアーに初参戦。アイルランドオープンで、最終日にスコアを伸ばして通算13アンダー14位タイに入った。また今月12日には、テニスのウィンブルドン選手権に谷原とともに招待され、ロイヤルボックスで観戦。競技は違うが同じグランドスラムの舞台を肌で感じ、刺激を受けたようだ。

 そして、17日に発表された予選ラウンドの組み合わせで、松山は全米オープンを制したブルックス・ケプカ(米)、単独4位フィニッシュしたトミー・フリートウッド(英)と同組になった。現在世界ランク2位で、全米オープンでも2位タイとなった松山だけに、当然といえば当然だが、豪華なペアリングとなっており、オープン側の期待のほどがうかがえる。

 このように世界でも認められる存在となった松山に対して、日本国内でのメジャー制覇への期待値は過去のゴルファーの中で最高レベルだ。そのボルテージは松山の世界ランクの上昇とともに、さらに上がっているが、今週の全英こそが悲願成就の可能性が一番高いのではないだろうか。

 その理由の第一は、松山自身の調子が良いこと。アイルランドオープンでも悪天候の中でナイスショットが随所に見られたが、今週の練習ラウンドでもさまざまな状況からバラエティー豊富なショットを見せ、万全の準備を整えているようだ。また、事前にリンクススタイルのコースでメジャーの「予行練習」ができたことも、これまでにない好材料となる。

 次にライバルたちの動向だ。世界ランクトップのダスティン・ジョンソン(米)は、ザ・メモリアル・トーナメント、全米オープンで予選落ち、同4位のロリー・マキロイ(北アイルランド)も全米オープンから出場4試合で3度も予選通過できず、調子はイマイチ。ジェイソン・デイ(豪)、昨季覇者のヘンリック・ステンソン(スウェーデン)も本調子とはいえず苦戦している。ジョーダン・スピース(米)、セルヒオ・ガルシア(スペイン)は今大会に向けギアを上げてきているが、優勝候補となるビッグネームが軒並み低迷している今は、松山にとってメジャーVの最大のチャンスと言えるだろう。

 この点については、今回の舞台となるロイヤル・バークレールGCで行われた1976年大会で優勝したジョニー・ミラー氏(米)もメディアで言及している。

「ジョンソンもロリーも調子が悪い。メジャーは何が起こるか分からないが、ヒデキが現状ではベストなプレーヤーだ」

 辛口解説で有名なミラー氏が、松山を優勝候補の最右翼に挙げているのだ。

 果たして松山は最終日にクラレットジャグを掲げることはできるのか。日本のゴルフファンにとっては、また寝不足になる週末がやってくる。(文・田村一人)