横綱・白鵬(32)が元大関・魁皇(現・浅香山親方)の持っていた歴代最多勝記録(1047)に並んだ大相撲名古屋場所12日目の7月20日、白鵬が日本国籍を取得する意向だというニュースがメディアを駆け巡り、翌日のスポーツ各紙は大きく報道した。

 引退後、親方になって日本相撲協会に残るためには「日本国籍を有する者に限る」という規則がある。父親がモンゴル相撲の大横綱で同国初の五輪メダリスト(メキシコ五輪レスリング競技)という国民的英雄であるため、かつては、モンゴル国籍のまま親方になる可能性を探っている、と言われていた。

 だが、実はこのところ、周囲で「日本国籍を取得する可能性が高い」という見方が強まっていた。それが記録達成をきっかけに、公の情報として流れたのだ。

「白鵬は、日本国籍取得に反対の父親が存命のうちは自分からは言い出せない、と言われてました。それが最近モンゴルに帰郷したとき、その父親から『自分の人生なんだから、自分で歩みなさい』というニュアンスの言葉を掛けられたそうなんです。それから潮目が変わったというか、現実的になってきたんでしょうね」(ベテラン記者)

 白鵬は顕著な功績を残した横綱に授与される「一代年寄」として親方になる希望を持っているが、これまで日本相撲協会は外国籍であることを理由に否定的な見解を示していた。日本国籍さえ得たら、その障壁はなくなる。相撲記者からは「抜群の成績と貢献度を考えると、将来の目標は理事長か」との声も聞かれるが……。「いやいや(笑)、そんなことまったく分かりませんよ」と前出のベテラン記者は言う。

「今場所、歴代最多勝のカウントダウンに入ってからの小兵の宇良との対戦ですら、受けて立つ横綱相撲をしないで立ち合いに変化した人ですから。数字だけ見たら大横綱ですけど、逆に言えば、数字だけの、ただ勝てばいいお相撲さん、という厳しい見方もできます。かつて最多勝記録を持っていた元千代の富士の故・九重親方は現役時代のブレーンが親方として協会に残れなかったという背景もあって、理事長どころか理事選でも落ちていましたよね。今のモンゴル人力士がどれだけ親方として協会に残るかを考えたら……」

 最多勝記録を更新し、未開の道を歩き始めた白鵬だが、彼にはどんな未来が待っているのだろう。

※週刊朝日  2017年8月4日号