独ブンデスリーガのマインツに所属する武藤嘉紀選手が「AERA」で連載する「職業、ブンデスリーガー」をお届けします。大学在籍時からFC東京に所属し、日本代表にも選出。現在はマインツで活躍する武藤選手が異国の地での戦い、生活ぶりをお伝えします。

*  *  *
 新シーズンに向けて、連日ハードなトレーニングが続き、体は悲鳴を上げています(苦笑)。キャンプイン以前から2部制の練習は当たり前。フィジカルメニュー中心の午前練習の後、夕方にはテストマッチが組み込まれることも多く、重い体をひきずってアウェーに出向くこともありました。

 7月8日にあったプレシーズン初の練習試合、アレマニア・アーヘン(4部)戦では、プレとしては初のゴールを挙げることができました。15日には、アウェーでSVヴェーエン・ヴィースバーデン(3部)戦が行われ、相手DFの裏に抜け出してPKを獲得しました。ずっと「自分が得たPKは自分で蹴る」と言い続けてきた通り、キッカーを務めることになりましたが、そのPKは相手のGKにストップされました。

 これにはチームメイトから茶化されたり、「もうオレが蹴るから」と突っ込まれたり。ひとつのミスに対して「口さがない」とでも言うのでしょうか……。それでもこのような厳しい環境は、自分にとって歓迎すべきもの。次に結果を出せば、誰もが黙る世界でもあり、失敗こそが自分を成長させてくれると前向きに捉えています。

 奇しくもこの日は25歳の誕生日でした。家に帰ると、妻がサプライズ的に飾り付けまでして祝ってくれました。

 ただ、自分自身の感覚としては、ここまでがあまりにも早く、「もう25歳か……」というのが正直な実感。四捨五入をすれば30歳で、人として節目であることも確かでしょう。

 サッカーの世界では「結果や数字」は正直です。たとえば14得点と15得点の差は、ただの1です。けれども、周囲が捉えるイメージとしては、その間に「1以上の差」があるようにも思えます。年齢に関しても、同様ではないでしょうか。久しぶりに四捨五入という言葉も思い出しましたが(笑)、人生の一区切りを迎え、これまで以上の転換期にしなければという気持ちは強いです。もっともっと飛躍的な成長を遂げたいと、さらなる欲が生まれています。

※AERA 2017年7月31日号