東京2020オリンピックエンブレム浴衣が大会組織委員会の公式オンラインショップなどで販売開始された。7月24日、「東京五輪音頭─2020─」の制作発表会で、元サッカー女子日本代表の澤穂希さんらがお披露目。ファッションデザイナーのドン小西氏がファッションチェックをした。

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 この浴衣のニュースで、コメンテーターが言ったんだよ。「浴衣の柄にもなるエンブレムに変えて、よかったですね」って。はあ?だよ。たしかにこの組市松紋、お祭りのはっぴやら浴衣やら、和のグッズに使いやすい。でもそれって、どっかで見た柄ってことだからさ。新しさもなければ、おもしろさもない。あたしがエンブレム選考委員なら、真っ先に落としたね。

 この浴衣だって、オリンピックっていうかスーパーの吊るしの浴衣そのまんま。おまけに半世紀前に作られた東京五輪音頭まで、ゾンビみたいに生き返ったっていうじゃない。国内なら手っ取り早く受け入れられるかもしれないが、世界に未来を語るようなメッセージとは、ほど遠いっつうの。

 こう考えると、今回の五輪絡みのデザインで、一番いいのはザハが設計した新国立競技場だな。当時、森喜朗会長が生牡蠣って酷評してたけど、老人たちが顔をしかめるデザインこそが、先端で、かっこいいってことだわ。ま、こうなったら、この凡庸なエンブレムで最中や饅頭なんかも作って、じゃんじゃん内需で稼いでくださいね。

※週刊朝日  2017年8月11日号