プロゴルファーの丸山茂樹氏は、大学の後輩でアマチュア時代から一緒に戦ってきた宮本勝昌の3シーズンぶりの優勝に、さらなる活躍を期待する。

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 やるねえ、40代! 国内男子ツアーの「ダンロップ・スリクソン福島オープン」(7月27〜30日、福島・グランディ那須白河GC)で44歳の宮本勝昌が3シーズンぶりの優勝を果たしました。最終日はトップに1打差の3位から出て、大会コースレコードタイの63ですからね。すばらしい逆転優勝でした。

 4月の「パナソニックオープン」で、プレーオフ1ホール目のティーショットがOB。あれが悔しくて、優勝への思いが強くなったみたいですね。あのとき聞いたら、「油断しちゃいました」って言ってましたから。その反省も、今回の優勝を呼び込んだんだと思います。

 宮本は僕が日大4年のときに入学してきた後輩です。結構仲よくしてるんで、「力のあるオッチャンやね」ってメールしたら、「これからも頑張ります!」って返ってきました。彼の場合、腰痛はあるんですけど、体の強さが最大の武器なんですよね。ほんとにうらやましい。

 宮本のことは彼が高校生のときから知ってました。最初に同組で回ったのが関東アマチュア選手権の決勝ラウンドでした。このときは僕がぶっちぎって勝っちゃったんで、宮本は「いつか絶対この人をやっつけてやろう」と思ったんでしょうね。僕が大学4年のときの日本アマチュア選手権で、1年の宮本に見事に逆転優勝されちゃいましたから。僕はとってないタイトルが日本アマだけだったから、是が非でも欲しかったんですね。でも最後のチャンスは宮本にやられました。あの日本アマが宮本との思い出だなあ。

 あのころから飛ばしを武器に、安定したプレーをする選手でした。実は一番光るのはパッティングなんですよね。優勝争いになったとき、パッティングでうまくつないで自分を盛り上げていく。もちろんドライバーのアドバンテージもあるんですけど、本当はパッティングに輝きがあるって、いつも見てて思いますね。

 ずっとシード権を維持して、いまやツアー11勝で日本ゴルフ界の重鎮ですから。これからも体の強さを生かして、長寿プロを目指してほしいですね。

 さて、今シーズン最後の海外メジャーとなる「全米プロ選手権」(8月10〜13日、米ノースカロライナ州シャーロット近郊のクエイルホロークラブ)が近づいてきました。24歳になったばかりのジョーダン・スピース(米国)に最年少生涯グランドスラムの期待がかかります。

 このゴルフ場はね、僕にとってアメリカの中でも5本の指に入る好きなコースなんです。大嫌いだから、好きなんです。え、分かりにくいって? プロゴルファーって、みんな多かれ少なかれ「ドM」だと思うんです。歯が立たないコースほど面白い。イライラもするんですけどね。というのも、あそこは左ドッグレッグのドロー向きのコースなんです。僕の持ち球と正反対。だから打ちのめされてきたんですけど、好きなんですよ。

 まあ、ほかのメジャーと比べちゃいけないけど、正直言ってプロゴルファーからしたら憧れの度合いは一番低い試合でしょうね。でもシーズン最後のメジャーだから、みんな躍起になってとりにくる。そこが面白いんですよね。

※週刊朝日  2017年8月18−25号