日本野球機構(NPB)からドーピング違反で6カ月間の出場停止処分を科された広島のサビエル・バティスタ外野手が10日、ドミニカ共和国へ帰国した。スポーツ紙の報道によると、球団はバディスタに来季の契約は白紙であることを伝え、同国のカープアカデミーの施設使用を禁じたという。



 球界に激震が走ったのは8月17日だった。バティスタ外野手は6月7日の試合後にドーピング検査を受け、A検体が陽性反応を示した。予備のB検体でも結果は変わらなかったことが8月17日に発表され、出場選手登録を抹消された。

 検出されたのは、脳下垂体を刺激してホルモン分泌を促す効果がある「クロミフェン」と、その代謝物である「ヒドロキシクロミフェン」。世界反ドーピング機関(WADA)が「S4.ホルモン調整薬」として禁止物質に指定している。NPBで検出されたのは今回が初だった。NPBは今月3日、来年3月2日まで6カ月の出場停止処分を科すと発表した。

 ネット上ではバティスタ外野手本人だけでなく、広島やNPBの対応に批判の声が多かった。

「6月に陽性反応が出た時点で球団はなぜ、バティスタを登録抹消しなかったのか? この時点で白でない。スポーツに対する背信行為だ」

「出場停止処分の大半がシーズンオフってふざけているの? 大甘裁定すぎる。処分を下したNPBが事の重大性を把握していない」

 今季103試合に出場して打率2割6分9厘、26本塁打、64打点。バティスタ外野手はカープアカデミーから15年に育成契約で広島に入団し、17年6月に支配下昇格した際に6年間の長期契約を結んでいる。

 パワフルな打撃でチームに不可欠な主軸に成長した長距離砲はファンからも愛される人気選手だけに、広島ファンの胸中も複雑だ。来年以降3年の契約が残っているが、広島でプレーするのだろうか。

 その是非を巡り、賛否両論の声が上がる。

「来季バティスタと契約するかわからないとカープ球団は言っているが、契約したら球団のイメージが更に一層ダウンしてしまうこと。やめさせた方が両方の為です」

 契約解除をそう主張する意見に対し、こういう指摘もみられた。

「クロミフェンには筋肉増強効果も隠蔽(いんぺい)効果もないからプレーに影響はなかっただろう。とはいえなぜ検出されることになったのかを再発防止のためにもきちんと説明すべき。契約の話はそれが済んでから」

 バティスタ外野手が故意に摂取した可能性は低いが、誤飲だとしても許される行為ではない。なぜ今回の事件が起きたのか。再発防止の観点からも球団は説明責任がある。(梅宮昌宗)

※週刊朝日オンライン限定記事