丸山茂樹氏は、逆転でメジャー初優勝を飾ったコリン・モリカワ選手を賞賛する。

 男子海外メジャーの「全米プロ選手権」(8月6〜9日、米カリフォルニア州サンフランシスコのTPCハーディングパーク)で、日系アメリカ人のコリン・モリカワ(23)がメジャー初優勝を果たしました。去年プロに転向したあと、早くもPGAツアー3勝目です。



 僕はこの試合で久々にテレビ解説のお仕事をさせてもらいましたが、モリカワの週末のゴルフは素晴らしかったですね。3日目にスコアを五つ伸ばして、最終日には六つ。この2日間で1イーグル、11バーディー、2ボギーですからね。

 最終日はモリカワが14番に来た時点で6人がトップに並ぶ混戦でしたけど、彼はこのホールでチップインバーディーを決めて抜け出しました。そして294ヤードと短いパー4の16番。グリーンの右サイドにピンが切ってあったので、モリカワが打つ前に「ここは彼にとって非常にいいホールですね。いい感じで振れるんじゃないでしょうか」と言わせてもらいました。

 彼のドライバーの飛距離と持ち球のフェードにぴったりのホールだったからです。ピンの手前2メートルに1オン。あそこまでピタッとくるとは……。あれはもう、モリカワのゴルフ人生に残るショットじゃないですか? 一生言われると思いますよ。

 普段ならやれると分かってても、あの土壇場で打てたってのがすごい。平凡な人間じゃできませんから。そこは何か持ってるんでしょうね。

 松山英樹(28)は最終日、トップに5打差の状況から優勝を狙いましたが、スコアを伸ばせず22位でした。プレー内容に関してはふがいなさを感じて、イライラしてたんだろうなという印象でした。じっと我慢して待つしかないのかなと思いますけどね。今回のモリカワを見ると、抜群のコンビネーションじゃないですか。ティーショットがうまくて、セカンドショットがチャンスにつく。なおかつピンチになったアプローチでチップインして優勝に結びつける。ああいう状態がきっとくると思います。

 だから、どこかに比重をかけすぎない方がいいと思うんです。全体的な目安として70%ぐらいでできたら、もっと安定すると思うし、それが80%までいったら優勝争いができる。最近の英樹を見てると、ティーショットでしっかり振りすぎてるというか。

 何となくきっちりとここに置いといて、ここで攻めて、という方がいい。ドライバーが飛んで曲がらなくて、アイアンショットがまっすぐいって、パットが完璧に入って、というのは無理なんで、もう少しアバウトさが必要かなと思います。

 いまの英樹には「もうちょっと気楽にいかない?」って言いたくなります。

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表ヘッドコーチを務める。19年9月、シニアデビューした。

※週刊朝日  2020年8月28日号