ウッチーの愛称で親しまれ、8月23日のラストマッチを最後に惜しまれながら引退したサッカー元日本代表の内田篤人さん(32)。すぐにでも解説者としてテレビで見られるのかと思いきや、9月13日から日本サッカー協会(JFA)の“指導者”としての第一歩を踏み出した。ただ、気になるのがその肩書。「ロールモデルコーチ」。聞き慣れないけど、どんな仕事?



 JFAのホームページによると、アンダーカテゴリーの代表チームを含めた若年層の強化・育成に関わり、世界の舞台での経験を伝えるというもので、新設されたポストらしい。

 というのも、内田さんはJFA指導者ライセンスを持っていない。JFAが公認するライセンスはS級・A級・B級・C級・D級とランク付けされており、代表チームやプロを指導するにはS級が必要となる。

 サッカージャーナリストの六川亨氏はこう分析する。

「サッカー界のイケメンとして人気がある内田さんには、引退後の道として評論家やコメンテーターなど、いくらでも引きはあったと思います。ですが、内田さんは現場へ恩返しをしたいと、将来的に指導者の道を希望しています。S級ライセンスの取得には数年かかりますし、彼のために用意したポストでしょう」

 14日には早速Uー19日本代表候補合宿に参加。練習に混ざって選手にアドバイスを送るなどしていた。

 このポストについて、JFAの担当者はこう説明する。

「引退後、内田さんと話す機会があり、その際に『日本サッカー界に貢献したい』という話が出ました。指導者としての経験も現場で積むことができ、また選手たちにとっても大きな刺激を与えることができる最適なタイミングを、どういう形で現場に落とし込めるかを考え、新設しました」

 特例ともいえる措置だが、今後この役職が引き継がれることはあるのか。

「定着を見越してのものではありませんが、今後も内田さんと同様に、国内外で豊富なキャリアを積んだ選手たちが現役生活をいつか終える時に両者の意向が合えば、同じ形で依頼することはあると思います」(担当者)

 ロールモデルコーチというポストの未来はさておき、内田さんの指導者としての資質は十分にあると六川氏は続ける。

「かわいい顔をしながらはっきりものを言えますし、冷静な分析力に加えて、物事を理路整然と伝える力を持っています。カリスマタイプではありませんが、W杯を2度指揮した岡田武史さんに通じるものがあるかもしれません」

 肩書が何であれ、日本サッカー界に明るい未来をもたらしてくれることを期待したい。(本誌・秦正理)

※週刊朝日オンライン限定記事