巨人・丸佳浩の株価が急下落だ。



 今年の日本シリーズでも短期決戦での弱さを再び露呈。加えて、物議を醸すプレーも飛び出した。『逆シリーズ男』とまで呼ばれてしまっている丸は、なぜ大舞台では“グダグダ”になってしまうのだろうか……。

「丸選手のプレーが故意かどうかはわからないけど、中村選手があれだけベースの角にいるのにその足に当たってしまうのはよくないと思います。投手の走塁練習もそこはしっかり練習するので」(11月22日・ダルビッシュ有のツイッター)。

 今シーズン、メジャーリーグのサイ・ヤング賞投票でナ・リーグ2位となるなど話題を振りまいたダルビッシュ有(カブス)も反応し、呟くほどのプレーだった。

 日本シリーズ第1戦、ソフトバンクの2点リードで迎えた4回無死一、二塁の場面。丸はショートゴロ併殺打に倒れたが、一塁を駆け抜ける際にファースト中村晃の足を蹴ってしまう形となった。このプレーの直後からネット上などは大荒れ。翌日の試合前、丸が工藤公康監督と中村に謝罪をするまでの事態となった。

「驚いたし信じられなかった。故意にあんなことをする選手ではない。あんな凡プレーをするようなレベルでもない。野球に対して常に真摯的に取り組んでいて、誰もが驚くぐらい真面目。何があってもいいように準備すると言っているほど。普段から性格も温厚で、関わった人から丸の悪い話は聞いたことがない。先輩、後輩、他球団と丸を慕っている人は多い。何があったのかこっちが知りたい」(広島関係者)

 今回、丸が犯したプレーと似たケースが過去の巨人にはあった。07年9月9日、対阪神では巨人は逆の立場だった。その時は内野ゴロに倒れた阪神のアンディ・シーツが、一塁手・李承燁の足を蹴るというより、踏んでしまう格好となった。見方によっては“故意”ともとれるこのプレーに対し、当時も巨人を指揮していた原辰徳監督が自らシーツにクレームをつけ、両チームが一触即発の状態となった。

「今回、意図的にやったという批判もあるが、それは考えられない。原監督は卑劣なプレーを最も嫌う。自身が現役時代から厳しい攻め方をされて来たので、常に真っ向勝負を奨励している。シーツの時も真っ先にベンチから出て怒っていたほど。劣勢であっても原監督が指揮を取っている限り、故意にやるはずがない。仮にそうならば、即交代させるはず」(巨人担当記者)

「モラル的な話というより技術的な話だと思います。技術ミスで他人に迷惑かけたのなら当人同士で和解すればそれで終わりかと」(11月22日・ダルビッシュ有のツイッター)

 ダルビッシュがこのように話を締めたように、今回の件は故意ではないだろう。そうなると走攻守に高い技術を持つ丸に、何か精神的な動揺があったと見るのが自然ではないか。

 3連覇を達成した広島では中心選手として活躍し、17、18年には2年連続でリーグMVPを獲得した。誰もが認める球界屈指の外野手となった18年オフにFA権を行使し、ライバル巨人へと移籍。シーズンでは連覇を果たしたチームを支えているが、今年も日本シリーズではいい所がない。

「巨人の重圧は相当なはず。結果は残していても、もっと高いレベルを要求される。これまでも周囲を気にする性格が出てしまうことがあった。打てなかったりすると、次の日まで引きずる。試合が終わってからも遅くまでスイングチェックをしていることがあった。短期決戦で調子が上がらないのはメンタル部分が大きいと見られる。本人は苦悩しているだろう」(広島担当記者)

 過去、日本シリーズに過去3度(16,18,19年)出場。広島時代の16年は21打数7安打、1本塁打、2打点、打率.333。18年は25打数4安打、1本塁打、3打点、打率.160。巨人移籍後の19年は13打数1安打、0本塁打、1打点、打率.077。その間チームはすべて日本一を逃しており、個人的には5年連続でリーグ優勝を経験しているが、頂点を目指す舞台ではシーズンのような存在感は示せていない。

「特に巨人ではシーズン中に活躍しても、日本シリーズで勝たないと個人評価も下がる。丸はライバル広島の中心選手だったから、周囲の期待も高く、誰もが日本一の使者と思っていた。しかし完膚なきまでに負けて頂点に立てないから、逆にスケープゴートになってしまう。これまでも同じ状況に立たされ、押し潰されてしまった選手は多い。同様にならなければ良いのですが」(広島担当記者)

「中村の足を蹴ってしまったのは、追い詰められ周囲が見えない状況になっていたのではないか。シリーズ第1戦、結果が出ないとこれまで同様になる、という焦りがあった。視野が狭くなり足が当たってしまった。気持ちに技術が追いつかなかった。ダルが語っているように、モラルではなく技術ミスだった」(巨人担当記者)

「丸獲得は正解だったのか?」の声まで聞こえ始めている。結果で周囲を黙らせ続けるしかないのだが、ここに来て貼られた『技術未熟』のレッテル。イバラの道はまだまだ続きそうだ。