2月下旬のJリーグ開幕から早1カ月が過ぎた。活きのいい若手選手が次々と頭角を現す中、新型コロナウイルス対策の入国制限を受けなかった外国人選手たちも早速、暴れまわっている。昨季は柏のオルンガが得点王&MVPに輝いたが、今季もリーグ戦序盤から“違い”を見せている助っ人たちは多くいる。

 真っ先に名前が挙がるのが、王者川崎のストライカー、レアンドロ・ダミアンだ。ロンドン五輪得点王&元ブラジル代表の肩書を持つ31歳の大型FW。加入1年目の2019年にリーグ戦23試合で9得点を挙げ、2020年はリーグ戦34試合13得点でチームのリーグ制覇に貢献したが、1年目は順応に時間を要し、昨季は存在感を強めたが、それでも小林悠との併用もあって主役ではなかった。

 だが、チームの副キャプテンに就任した今季は、開幕から3トップのセンターFWとして出色のパフォーマンスを披露している。3月10日の第3節・徳島戦では前線からの強烈なプレスを得点につなげ2ゴールをマーク。さらに、同17日の第5節・神戸戦では40メートル超の鮮やかな反転ダイレクトロングシュートを決め、同21日の第6節・浦和戦では、右サイドからのクロスに対し、DFに囲まれながらも胸トラップでボールを浮かせ、そのままオーバーヘッド気味に体を倒しながらの右足ボレーで得点を奪った。早くも今季のベストゴールに選ばれてもおかしくない華麗なゴールを決め、7試合を終えて6得点はリーグトップタイ。間違いなく得点王の最右翼だ。

 今季から川崎に加わったシミッチも、開幕8試合を7勝1分の首位スタートを切ったチームのアンカー役として重要な役割と働きを見せている。高い技術と長短織り交ぜたパスで中盤を支えるブラジル人MF。 2019年から2年間プレーした名古屋でも技術の高さは見せていたが、常にボールを保持する川崎では自身の長所である長短織り交ぜたパスがさらに生きている。

 脱帽だったのが、3月21日の第6節・浦和戦での旗手怜央へのアシスト。センターサークル付近からペナルティーエリア内へ、左足で針の糸を通すような正確無比なスルーパスを通した。視野と判断、技術と創造力が凝縮された“鳥肌モノ”のパスだった。中村憲剛、守田英正が抜け、大島僚太も出遅れているチームの中で、シミッチの開幕直後からの活躍は非常に頼もしい。

 川崎と同じく開幕から無敗(6勝0敗1分)の好スタートを切った名古屋でも、外国人が大きな戦力になっている。攻撃陣ではマテウスだ。正確無比な左足を武器に昨季チームトップの9得点をマークしたブラジル人。今季は福岡との開幕戦で試合開始早々にゴール前で絶妙な股抜き&シュートフェイントで相手DFを手玉に取り、最後は再びGKの股の間を素早く打ち抜く電光石火の先制ゴールを決めた。さらに、この試合で2点目を決めると、その後も組織の中で自慢の個人技を発揮し、攻撃にアクセントを加えて勝利に大きく貢献した。

 その後も好調を維持し、3月17日の第5節・横浜FC戦でもゴール前のこぼれ球に反応して、冷静に左足を振り抜いて3点目をマーク。名古屋の守備陣ではGKランゲラックが今季も好セーブを連発しているが、攻撃陣での“違い”はマテウスが作り出している。

 DF陣では、序盤戦のサプライズとなっている鳥栖の守備を統率するエドゥアルドだ。2013年に来日し、鳥取(J2)、栃木(J2)、柏、川崎、松本を経て2020年から鳥栖に加入したブラジル人センターバック。昨季の活躍も素晴らしかったが、チームキャプテンに任命された今季はさらに存在感を増し、強さと巧みさ、そして賢さを融合したディフェンスでピンチの芽を摘み、チームの開幕6試合連続無失点に大きく貢献した。

 高いビルドアップ能力も発揮し、左足のパスで攻撃の起点になれば、3月20日の第3節・仙台戦では、5対0と圧勝した中で、自らもCKからのこぼれ球に左足を振り抜いてチーム2点目のゴールを奪った。来日時は無名の存在だったが、日本でキャリアを積み、柏時代の2014年にU−21ブラジル代表に招集(登録名・ドゥドゥ)された。その後は、なかなか安住の地を見つけることができなかったが、鳥栖では守備の大黒柱として今季は出色のパフォーマンスを見せている。

 今後、新型コロナウイルス対策によって来日が遅れていた新外国人選手たちが、コンディションを上げてチームに合流する。彼らがどのようなプレーを見せるのか。ピッチ上でどのような“違い”を生み出すのか。楽しみは、まだまだこれからだ。