米プロバスケットボールNBAのウィザーズで活躍する八村塁選手の弟・八村阿蓮が、自身のツイッター上で、自身と兄に対する人種差別的な内容のダイレクトメッセージが送られてきたことを明らかにした。



 阿蓮はツイッター上で、「死ね、間違えて生まれてきたクロンボ。お前もお前の兄もバスケがうまいだけのただのクロンボ」と送りつけられたメッセージを公開。富山県出身の八村兄弟は西アフリカのベナン出身の父と日本人の母を持つ。阿蓮は兄の塁に劣らない身体能力を持ち、将来の日本を代表する選手として将来を嘱望されている。現在は東海大に在学中で、今季はBリーグ1部のサンロッカーズ渋谷でも特別指定選手としてプレーした。

 阿蓮は今回の問題提起について、「日本には人種差別が無いと言ってる人がいるけど、こうやって人種差別発言をする人がいます。晒してどうにかなる問題では無いと思いますが、皆さんに今一度人種差別の問題について関心を持っていただきたいと思いました」と説明。塁も「こんなの、毎日のようにくるよ」と明かした。ウィザーズは6日、恒例のチーム写真を公開。選手たちは胸の部分に「正義」などメッセージを入れた黒いTシャツを着用し、八村塁のシャツには「イコーリティー(平等)」と記されていた。

 ツイッターのリプライ欄には、「悪意しか感じられない発言など無視と分かっていても不快、憤り、苛立ち、消し切れない事はありますよね。神様じゃないのだから!!負の思い吐き出してください。仲間先輩後輩ファンが共有します。八村阿蓮=素晴らしいプレイヤー。私の中でそれが揺るぎない事実です」、「涙が止まりません。black lives matterが世界的に叫ばれているのは勿論知っていました。ただ、実際に見ると違いました…気づかせてくれて、ありがとう。私を含め、殆どの人が八村くんを尊敬しています。こんなクソに負けないで。これからも応援しています」、「報告しようと思ったら(投稿者の)アカウントが既に消えていました。本当にムカつきます。こんなやつ無視して下さい。兄弟共々の活躍を応援します」など投稿者への怒りや、八村兄弟に激励のメッセージが多く寄せられた。

 女子テニスの大坂なおみ、ベルギーのKベールスホトVAに所属するサッカーの鈴木武蔵ら世界で活躍するアスリートが人種差別に対する抗議を積極的に発信しているが、ネット上では見るに堪えない誹謗中傷の書き込みが後を絶たない。

「この問題は10年以上前から提起されていますが、まったく状況は変わらない。ネット上の誹謗中傷は匿名で書き込まれるため、被害者が投稿者の情報開示を求めてもアカウントが削除された後で特定に難航するケースが多い。SNSの運営会社は投稿者がアカウント登録する場合に名前と連絡先、身分証明書の提示を義務付けるように法改正すべきではないでしょうか。『個人情報を特定されて言論の自由がなくなる』という声がありますが、言論の自由と相手を傷つける差別発言は違います。政府はこの問題に本腰で取り組まなければいけないと思います」(一般紙社会部記者)

 いかなる理由があろうとも、人種差別、誹謗中傷の発言は許されない。(牧忠則)