ショックが大きい敗戦だった。2日にカタールW杯アジア最終予選の初戦でオマーン代表と対戦し、終了間際に決勝点を献上して0−1で敗れた。UAEに逆転負けを喫したロシア大会予選に続き、最終予選黒星スタートとなったが、今回の敗戦はオマーンに内容で圧倒され、森保ジャパンの「限界」を感じさせられる戦いだった。



「日本はアジアでは『最も強い国』という位置づけです。各国は守備をガチガチに固めてカウンターで得点を狙うというスタイルが多かったのですが、今回のオマーンは違った。ボールのキープ能力が高く、球際に強い。ワイドに展開して前線の選手が日本の守備陣を翻弄していた。決定的な場面もオマーンの方が多かったです。ディフェンスも約束事が徹底され、効果的なパスを遮断していた。個々の能力は日本が上ですが、オマーンの方が組織として洗練されていた。攻守で完敗でしたね」(スポーツ紙記者)

 日本の選手の高い技術力は大雨でぬかるんだピッチを前にすると脆かった。相手のプレッシャーにボールを失いチャンスすら生み出せない。前半戦はオマーンの攻勢をしのぎ0−0で折り返したが、後半6分にピンチを迎える。右サイドでDF酒井宏樹がMFアブドゥラ・ファワズに振り切られ、ゴール前に鋭いクロスを入れられると、カバーリングに入った長友にハンドの判定。オマーンにPKが与えられた。ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)で主審がオンフィールド・レビューを行った結果、ノーファウルに覆り命拾いしたが、その後も重苦しい展開が続く。

 後半からFW古橋亨梧、MF堂安律、MF久保建英と次々に攻撃的な選手を投入して局面の打開を図るがパスがつながらず、強引なドリブルは相手守備の網に引っかかり、得点の雰囲気がしない。そして後半44分、均衡が破れる。決勝点を入れたのはオマーンだった。右サイドでワンツーを許してアルヤヒアエイに突破されると、クロスに反応したMFイサム・アブダラ・アルサビに右足でゴール左隅に流し込まれた。試合集王のホイッスルが鳴ると、堂安はボールをけり上げていら立ちをあらわにした。

 日本はなぜ完敗したのだろうか。前出のスポーツ紙記者は「森保監督の起用法」に疑問を呈した。

「FW大迫勇也にボールが入って攻撃のスイッチが入るのですが、オマーンは徹底的に狙っていました。大迫に入るボールをインターセプトし、ボールが入ってもセンターバックとボランチで挟み撃ちにして奪う。前半戦でその狙いは一目瞭然でした。大迫はコンディションがイマイチで本来のパフォーマンスには程遠かったので、前半で交代しても良かったと思います。森保監督が最後まで大迫の1トップにこだわったために、堂安、久保、古橋は前線にスペースがなく持ち味を生かせなかった。オマーンの戦いぶりは見事でしたが、日本ももう少しやりようがあったように感じます」

 最終予選でまさかの黒星スタートに、SNS、ネット上では「五輪含めて本気の試合で三連敗は森保では通用しない事がわかる。コンディションを考慮せずネームバリューと実績だけで選手を選んで修正もなしで負けるなど論外。戦術の型が無さすぎる。個人のインスピレーションに任せるしかないのでは結果が残せる訳がない。切に森保解任を望みます(原文ママ)」、「このまま森保監督のままでは最終予選敗退も十分にあり得る。最終予選は始まったばかりだから早めに手を打って交代した方がいい(原文ママ)」など森保監督の解任を求める声が多い。

 次戦は8日にカタールの首都・ドーハで中国と戦う。現状では先行きが明るいとは言えない。森保監督が「タレント集団」を束ねて息を吹き返せるだろうか――。(江口顕吾)