丸山茂樹氏は、プロ9年目で初優勝した池村寛世選手への祝福、大学生のゴルフ大会の打ち切りなどについて語る。

*  *  *

 国内男子ツアーの「ISPS HANDA ガツーンと飛ばせ」(10月28〜31日、茨城・美浦GC)で、26歳の池村寛世がプロ9年目で初優勝しました。

 非常にポテンシャルが高くて飛距離も申し分ないですし、もっと早めに活躍できててもおかしくなかった選手だなあと思って見てましたね。これまでは何かがかみ合わなかったんだと思いますけども、これでいろんなものが見えて、次のステップに入れると思います。

 最終日に5打差の単独トップで出た植竹勇太も池村と同じ26歳の選手です。5打差をひっくり返されたってのはキツいですよね。いつこういう場面が来るか分からないので、猛烈な追い上げを食らうことも想定して、はねのける何かを身につけておくってのが今後の課題なのかなと思いますね。一方で3日間終えたところで5打差もつけられたってのは、自信にしておけばいいと思うんです。

 国内女子ツアーの「樋口久子・三菱電機レディス」(10月29〜31日、埼玉・武蔵丘GC)では、渋野日向子さん(22)が3週前に続く日米通算7勝目を挙げました。

 最終の18番で2打差を追いついてプレーオフなんて、恐ろしい粘りです。相手のペ・ソンウ(韓国、27)が気の毒にもなります。渋野さんと3回目の優勝争いで3連敗。相当な相性の悪さもあるんでしょうけど、渋野さんの圧力が彼女をそうさせたんだと思うんで、やっぱりメジャーチャンピオンは勝つべくして勝つ選手であるということがね、この結果にも重く出たんじゃないかと思います。

 この試合の放送は視聴率が12.4%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)で、女子ゴルフの放送としては2年ぶりに2桁の数字だったそうです。女子ゴルフのファンは非常に多いですからね。ギャラリーの数を見てれば分かります。当然の数字でしょうね。

 最後に、大学ゴルフの「朝日杯争奪日本学生ゴルフ選手権」と「信夫(しのぶ)杯争奪日本大学ゴルフ対抗戦」という伝統のある試合が来年から開催されないことになりました。

 非常に残念ですね。僕らが通ってきた道なんで、ちょっとショックですね。詳しいことは僕も分からないんですけど。

 僕は日大での個人戦初優勝が朝日杯なんですよ。小学6年のときに川岸良兼さんを見て、「絶対にこの人に勝ちたい」と思って、3学年違いなので僕が大学1年のときが最初で最後のチャンスでした。でもなかなか勝てずに朝日杯を迎えて、最終日最終組で川岸さんと伊澤利光さんと3人で回って、最終ホールで僕がイーグルをとって逆転優勝したんです。

 団体戦の信夫杯は日大にとって優勝しかあり得ない試合でした。熱い思いを持って、勝ち続けました。

 いろんな事情があるんでしょうけど、一つの歴史が幕を閉じるってのはさみしいもんですよね。代わりになるような試合を新たにつくれたらいいなとは思いますけどね。

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表監督を務めた。セガサミーホールディングス所属。

※週刊朝日  2021年11月19日号